HP-35の分解掃除

HP-35を分解し、きれいに掃除しました。

 

この電卓は入手した時点で次のような問題がありました。

  1. ニッカドバッテリが液漏れを起こし、動作不能
  2. 電源スイッチの動作が不安定
  3. フロントパネルとキーに万年筆の修正液らしき汚れが目立った

1については2月の頭に互換バッテリーホルダーを作成して対策済みです。これで何とか動作するようになりましたが、2,3も何とかしたいと思っていました。ゴールデンウィークにラベルはがしに成功したため、週末のうちに2,3を片付けることにしました。

 

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さて何はともあれ分解です。前回ラベルはがしに成功したたため、続く作業は簡単です。裏蓋を外したところに現れる回路基板を取り外し*1、ねじを8本外すだけで中蓋を取り外すことができます。

この8本のねじは裏蓋を閉じている6本のねじと同じ規格のようです。よく考えられています。

中蓋はキーボードおよびLED基板と一体化しており、外せるかどうかはわかりません。外さなくても清掃はできます。

キーボードには薄いプラスチックのシートと押さえの透明フレームが装着されています。このプラスチックシートをはがし、キースイッチの内部の汚れを取る*2のが定番の保守作業なのですが、私が入手した個体はキーパッドには問題はありませんでしたので、触らないことにしました。この部分のプラスチックシートは破れやすく、破れた場合どのような材質のもので置き換えればよいか不明です。キータッチや音にかかわる部分ですので、触らないに越したことはないでしょう。

フロントパネルとキーは洗剤に浸すことでおおよその汚れを落とすことができます。ただし、修正液と思われる白い汚れはこれだけでは落ちません。そこで、昨年購入した66% のエタノールを使用することにしました。これはRF-2200のロゴの掃除にも使用したものです。

 

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今回は小さな容器にキーを入れ、あらかじめアルコールに浸しました。そのうえで、ピンセットで不織布をつまみ、アルコールを浸みこませて一つ一つ拭ってきれいにしました。フロントパネルは大きすぎて浸すことができませんので、やはりピンセットで不織布をつまみ、アルコールを浸みこませて汚れを丁寧に拭います。手間はかかりましたが、文句のない仕上がりになりました。

電源スイッチはキーボード基板上の回路パターンを、スイッチ側の金属片で短絡することでオンにする構造になっています。パターンも金属片も金メッキされていますが、接触部が黒く汚れていました。これが電源スイッチの動作不安定の正体です。この汚れもアルコールで丁寧にぬぐい取ってきれいにしました。仕上げにサンハヤトのコンタクト・グリースを薄く塗っています。

ついでに電池ボックスの汚れもアルコールで拭きました。

 以上で分解掃除は終わりです。電源スイッチの接触不良がなくなったため、気持ちよくスイッチを入れることができます。フロントパネルも文句なくきれいになりました。

これで気持ちよく使うことができます。

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基板を取り外し、中蓋を止めている8本のねじを外す

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ばらばらになったHP-35

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修正液らしき汚れ

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電源スイッチの汚れ

 

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汚れを拭い去る

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洗浄後のキー

 

 

 

*1:はんだ付けされていないので簡単に外せる

*2:薄い紙を差し込み、消しゴムで軽く押さえながら引き抜くことで汚れを拭う

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