説得力のある対抗勢力

横浜市長選挙に向けて、駅前で支持者による街頭演説が始まりました。今日聞いたのは中田現市長の対立候補、松川氏の支持者による演説。
全面的に中田批判に終始しており、要約すると次のような感じです。

  • 中田市政は合理化の名の下に多くの行政を民営化し、市民を苦境に陥れた。
  • 福祉が締め付けられており、弱者いじめである。
  • 老人をいじめている。
  • 子供を持つ家庭をいじめている。
  • 大企業日産に54億円もの支援を決定し、これは市民の台所事情の苦しさを無視した蛮行である。
  • 横須賀の米空母母港化に反対しておらず、許せない。放射能怖い。

いなかで大学時代に読んだビラもこんな感じでしたが、壊れたレコードですか*1。まぁ、志が変わってないという意味ではすばらしいことでしょうけど、面子を見ると年寄りばかり。新しい血を欠くという意味において日本国より彼ら高齢化のほうが深刻のようです。
さて、54億円支援について調べてみました。ざっとぐぐって見ると、40億円支援しますという横浜市のプレスリリースが。
http://sc0014.city.yokohama.jp/me/keizai/happyou/171104_1.html
40億円*2の出資理由ですが、当然、お代官様と悪徳廻船問屋の間の資金受渡しなどではありません。企業誘致による経済活性化が目的です。
http://www.city.yokohama.jp/me/zaisei/vision/kensyopdf/sikintyoutatu.pdf
日産誘致による経済効果の試算は1000億円以上、雇用創出は7000人近く。これらの数字の信憑性に疑いを挟むのではなく、頭から否定していることから、松川氏の支持者達は企業誘致による雇用創出や経済活性化そのものに反対しているようです。
そんな金があれば自分たちによこせと。
そうではないでしょう。好意的に解釈すれば、この人たちは反対だ!横暴だ!とあげる自分たちの声以外、何も聞こえなくなっているだけです。リベラル派の方にははっきり理解してほしいのです。その30年前のテープには、もう何の説得力もないと。
右傾化が危惧されますが、その本質は、国民が左派の言葉に誰も何の説得力も感じることが出来なくなったというそれだけです。自民党の力が圧倒的だと批判する声をあちこちで聞きますが、先の選挙で自民党に票を投じた人が全員バカだなどと本気で思っているようなら首をくくって死ぬことをお勧めしますよ。
一党支配が進みつつあるからこそ、きちんとした政策を展開すべきなのです。何の根拠もないプリントを振りかざして国会で茶番を繰り返したり、30年前から主張の変わってない人が支持を得られると考えているその白昼夢こそ危険です。
国家の基盤が揺らいでいる今だからこそ、反対勢力の声には説得力が必要なのです。反体制を自認する人には猛省を要求します。

*1:21世紀なんだからレコードが壊れていても不思議はないですが

*2:実際の金額はソースによって異なります。多分、時期と算定方法によるのでしょう

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