その2

前回、使用する地図の範囲を決めて.mapファイルを作りました。説明2回目になる今回はMap_yamatesen_0-12.mapから、実際の地図をダウンロードします。

  1. ダウンロードする地図を決める
  2. 地図のダウンロードと転送 ←ココ
  3. Mobile GMaps本体のインストール

ダウンロードツールのインストール

地図をダウンロードするには、Damien Debin氏のgMapMakerを使います。このソフトは.netアプリケーションですので、実行には.Netが必要になります。走らせて見てエラーが出たら、Microsoft .NET Framework Version 2.0 再頒布可能パッケージ (x86)ダウンロード、インストールしてください。
gMapMakerを立ち上げると以下のような画面になります。

この画面で設定するのは2点だけです。

キャッシュの位置を決める

最初に設定するのは画面上部のCache folderで、これはダウンロードした地図の格納場所です。ここにはデフォルトでMy Documentsのフォルダが指定されます。そこでもかまいませんが、後々の作業のしやすさを考えるとC:\のようにルートに近い部分のほうがいいかもしれません。この辺はしばらく使ってみて自分の使いやすいように決める必要があります。
このフォルダの設定は一度設定すれば次回からはその設定が使われますので再設定は必要ありません。また、設定を変更すれば別フォルダでやり直すこともできます。したがって、フォルダの位置を移動させることもできますから、やり直しは簡単です。

動作方法を決める

画面下のOperating Modeは、ダウンロードの仕方を決めます。ここには"MGMaps mode, use .map file"を指定してください。

ダウンロード

上の二つを設定したら、"Go"ボタンをクリックしてMap_yamatesen_0-12.mapを指定します。すると、すぐにダウンロードが始まります。回線速度にも依りますが今回のサンプル程度であれば30秒程度でダウンロードが終わるでしょう。

ファイルの確認

ダウンロードが完了したらファイルの確認をします。C:\にダウンロードした場合、C:\MGMapsCacheの下に図のようにたくさんのフォルダとファイルが作られます。

.mgmファイルが地図のタイルを格納しているファイルです。どうやら中身は.pngらしく、ブラウザで表示することもできます(できないこともあるみたい)。

ファイルのサイズですが、今回の解像度(zoom level 12まで)で700kB前後でした。
自宅の近所2km四方をzoom level 17*1まで保存すると、大体数MBくらいでした。
関東平野の西半分をzoom level 15(駅の前の待ち合わせができる)まで保存すると、60MBくらいでした。
同じ領域をzoom level 16 (ほとんどの路地が表示される)まで保存すると、大体250MBくらいでした。
混み入った都市部では同じ領域でもデータサイズが大きくなります。また、田舎のほうはzoom levelをあげても道しか表示されないことが多くあります。
私の場合、災害時に歩いて帰るための地図として用意しましたが、一般用とだと関東平野の半分をzoom level 16というのは、過剰だと感じます。

ファイルを隠しファイルにする

ここが面倒なところです。Mobile GMapsのファイルは当初.pngファイルでした。ところが、大量の.pngメモリーカードに送ると、Nokia携帯の「ギャラリー」ソフトがキャッシュを作りまくってフリーズ状態になるというトラブルが起きました。そのため、現在は.mgmになっています。が、私の手元では.mgmであっても大量(300MB)の地図があると不具合がおきました。今回のような小さな地図なら問題はおきませんが、転ばぬ先の杖と言う言葉もあります。
そこで、ファイルを隠しファイルにしてしまいます。隠しファイルにするとデータはMobile GMapsからしか使えなくなります。
ファイルを隠しファイルにするにはコマンドラインを使います。コマンドラインを使わずにマウスで設定する方法もありますが、フォルダごと隠されてしまいます。フォルダが隠れるとBluetoothを使うNokia PC Suiteからのデータ転送に制限がかかり、つぶしがききません。しかし毎回有線接続して転送する人は、PC Suiteを使いませんからコマンドラインにこだわる必要はありません。
実行すべきコマンドラインはこんな感じです。

c:\>cd MGMapsCache
c:\MGMapsCache>attrib +H *.mgm /S

2行目で .mgmファイルを隠しファイルに変更します。フォルダは隠しフォルダになりません。

メモリカードの準備をする

この節は本格的にMobile GMapsを使う方だけに必要です。ちょっとだけ使ってみたい方や、大量のマップを必要としない人には関係ありません。
Nokia 705NKにおまけで付いてきたmini SDカードは128MBでした。大量の地図を保存したかったので、私は新たに1GBのmini SDカードを買いました。1800円くらいです。
mini SDカードは買ったままの状態でも使えますが、FAT32でフォーマットしなおします。こんなことをするのは、無駄領域を減らすためです。ファイルシステムは管理の容易さのためにどうしても一部の領域を無駄にしてしまいます。Amazonが本一冊送るのに大きな箱を使っているようなものです。それぞれの本にあった梱包を用意するより、限られた種類の箱を用意するほうが管理が楽だからです。
Mobile GMapsは膨大な数の小さなファイルを作ります。現在私のメモリーカードには3万個のデータがあります。このデータをFAT16*2で1GBのmini SDカードに収めると、およそ240MBの領域が未使用のまま無駄になってしまいます。いくらなんでも1GBの1/4が無駄になるというのは我慢なりません。一方、FAT32ならば、60MB程度の無駄で済みます。60MBというのも気の遠くなるようなサイズですが、1GBの5%ちょいですから目を瞑ることにします。
FAT32にフォーマットする方法は、googleで検索して調べてください。フォーマットは後戻りの効かない処理ですのでくれぐれもご注意を。

データをコピーする

データのコピー方法には3種類あります。

カードリーダー経由
おそらくは一番高速な方法ですが、カードを705NKから取り出さなければならない、毎回705NKの電源を切らなければならないなど、面倒です。
USBケーブル経由
705NKをMass Strageとして使う方法です。カードリーダより速度は劣ると思いますが、電源を切らなくて済みます。
Bluetooth経由
Nokia PC Suiteのファイル・マネージャを使います。PC Syncは隠しファイルを転送できないため、ファイル・マネージャを使います。ただし、転送先では隠しファイルになりません。

おそらく、一番よいのは、巨大なデータをカードリーダー経由で転送し、あとでUSBケーブルを使ってアップデートを転送する方法です。「おそらく」と書いたのは私が考えなしにUSBケーブルを捨ててしまったので、検証できないためです。だって、あんまり野暮ったいんだもん。ケーブルの抜き差しも心配だし。
ここではメモリーカードリーダーを使う方法について説明します。方法は簡単で、PC上に作ったキャッシュ(C:\MGMapsCache)をマウスでドラッグして、カードリーダーにさしたmini SDカードのルートにコピーするだけです。下の図はコピー後の私のmini SDの中身です。P:\MGMapsCache以外のフォルダは705NKが作ったものです。買ったばかりのカードにはこれらのフォルダは存在しません。

メモリーカードは小さなファイルの書き込みが苦手なので、転送には長い時間がかかります*3。今回の例ではすぐに終わりますが。大きなデータの時にはお茶でも飲んでいてください。
転送が終わったら、705NK本体で「フォルダは見えるがファイルは見えない」ことを確認してください。

*1:路地まではっきり分かる

*2:購入時のフォーマット

*3:300MBで数十分くらい

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