通俗向け科学解説書

minami-no-nekoさんより紹介してほしい旨お願いされました。はて困った。通俗向けとはいえ、やはり読むうちに少しずつ上を目指します。物理の入門なんかを読んだのは四半世紀以上前なので、ほとんど絶版かもしれません。最近、Blogを書く時間が減ってきてますので荒っぽいですがご勘弁。

ニュートンの時計―太陽系のなかのカオス
NZの図書館には(原著が?)なかったようです。日本ではまだ訳本を新品で買うことができます。惑星の軌道って、本当に不滅なのか?を説明するために、丁寧な解説がされていますが、途中現れる天体儀なんかはとても興味深かったです。コンピュータ・アーキテクチャに興味のある人は、ウィリアム・カーンの名前が出てきて仰天するでしょう。しかし、然るべきところに然るべき名前が現れたというそれだけなのです。
低温 絶対零度への挑戦
NHKブックス、絶版。「永久気体」ヘリウムの液化をめぐるデッドヒートを軸にして、低温のテクノロジー、低温の物理を丁寧に解説した本です。読んだのは高校時代ですが、エントロピーの概念はこの本で学んだ気がします。と、ピエール・キュリーの偉大さを学んだので、絶望先生に彼の似顔絵が出てきても動じませんでした。ええ、一発でわかりましたとも。
踊る物理学者
実態をゆがめすぎだ、という批判もありましたが、面白かった覚えがあります。難しく見える理論物理学にも美しい対象性があり、物理学者はその対象性の中で踊っているのだという、確かに一歩間違うと怪しい教義(笑
広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由―フェルミのパラドックス
松浦訳本。以前紹介しましたが、これは読みやすいし、カバーしている範囲も広いのでお勧めです。途中からやや理屈っぽくなるのですが、ある意味最近の松浦俊輔ワールドの象徴かも。
「無限」に魅入られた天才数学者たち
数学本です。実に面白かったです。以前紹介した気もしますが。連続体仮説という、数学の闇の部分を、カントールゲーデルを軸に紹介した本です。
ボルツマンの原子―理論物理学の夜明け
分子仮説に基づく熱力学を築きあげながら、当時の巨人にこてんぱんに叩かれ、失意の中に死んだボルツマンの業績をつづった本です。後輩にあげたのを後悔しています。あはは。

あと、時間がないし、はてなが不調なのでざっとリストアップだけしておくと、

もお勧め。宇宙論史、19世紀から20世紀初頭の物理学史や、20世紀初頭くらいまでの生物学史といった分野には、面白い解説書がごろごろ転がっていますので、やさしそうなものから読むのもいいかも。

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