日経サイエンス誌の電子書籍版を書籍版と比べてみた

つい最近気が付いたのですが、今年から日経サイエンス誌の電子版が発売されています。

私は日経サイエンス誌をずいぶん長く…覚えている限り40年以上…読んでいます。私にとってこの雑誌は後で読みたくなる雑誌の筆頭とも言えますが、一方で例によって本棚は満杯で、購入後数か月で手放しています。しかし電子版ならいつでも読み返すことが出来ます。

ということで、「読書体験」を書籍版と比較すべくお試しに電子版を購入してみました。

購入したのは2021年の11月号です。購読端末はiPad(9.7inch)です。

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電子版と書籍版

最初から予想はしていましたが、iPadで読む日経サイエンス誌は字が小さいです。それもかなり。iPadは液晶解像度が高いのでまだ何とかなりますが、低価格のAndroid端末は厳しいかもしれません。

ですので、20%か30%ほど拡大して読むことになります。この点、タブレットは拡大や紙面内のスクロールが楽なのですが、PC版だと紀伊国屋書店のKinoppyは拡大・縮小にひと手間かかるため、読書体験はだいぶ悪くなります。

一方でコンテンツそのものにも問題があります。

日経サイエンス誌はイラストを多用しており、この手の書籍の常としてレイアウト固定で配信されています。それは良いのですが、レイアウト固定の場合は文字がシステムのレンダリングを使わないのかあるいはイメージとして配信しているのか、アンチエイリアシングの影響でぼんやりとした輪郭となっています。

下にその写真を紹介しますが、これはタブレット内部で表示文字を書籍版と同じ大きさまで拡大したものです。読書中に文字がぼやけているのがはっきりわかります。文字がぼやけているのか、自分の目が悪いのか気になるんですよね。これは減点です。

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左が書籍版、右が電子書籍

また、前述のとおり私は紀伊国屋書店のKinoppyで電子書籍を読んでいますが、Kinoppyの場合レイアウト固定の書籍は検索ができず、また、マーカーも引けません*1。マーカーを引くことが出来ないのはともかく、日経サイエンス誌の性質からすると検索ができないのはちょっと痛いです。

電子的な目次がついているのは期待通りなので、これで我慢するしかありません。

ということで、日経サイエンス誌の電子書籍版と書籍版を比べてみました。

文字が小さく、解像度が悪いという欠点はありますが、10inch前後のタブレットで読む限りにおいては、ページごとに拡大して読むことは我慢の範疇におさまります。

読書体験の快適さは幾分失われますが、ずっと手元に置いてい置ける利点と天秤にかけると電子書籍版に軍配が上がります。来月からは電子書籍版を買うことにします。

それはそうと、日経サイエンス誌の電子書籍版について調べている最中、うっかりと日経ナショナルジオグラフィック誌にも電子版があることに気が付いてしまいました。本棚に場所がないので購読をやめたんですよね。

今月から読むことにします。

*1:文字列にマーカーを引くことはできないが、図形としてマーカーを引くことはできる

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