U-BOOTのMLでGPL3化の議論

R.M.Stallmanからの問い合わせに答える形で大規模な議論が行われています。

ソフトウェアの性質上、組み込み系企業からのコミットが多いのではないかと思うのですが案の定Stallmanの「GPL3にしなよ」という呼びかけに対立する形の意見が出ています。量が多すぎてとても全部は把握できませんが。
汎用LSI上で動くプログラムは、コピーされてしまえばおしまいです。そのため、ソフトウェアを特定顧客のハードウェアにロックできるような機構が搭載されているものもあります。ただ、これをGPL化したソフトに適用してしまうと、GPLの理念が崩されることになります(Tivo化)。それゆえGPL3ではTivo化を禁止しようとしているようです。
メールリストの発言を見ると、Tivo化の何が悪いといった意見もあるようです。GPLソフトウェアをTivo化することは、その根本の理念にはっきり反しますし*1、コミュニティから得たソフトはコミュニティに恩恵を返すべきだと思うので、やや過剰反応かなとも感じます。
一方で、企業としては、プロジェクトにコミットした時よりも、利用制限が強くなるようなライセンス改訂には賛成できないかもしれません。理念はともかくとして、その筋論のほうは、いくらか共感しやすいように感じます。
ブートローダーは機能の保護の根っこの部分になりうるのか、強い論調の意見も見えます。
また、LinuxからコピーしてきたGPL2のドライバが多数あって、現実問題として変更などやってられないと言う面もあるようです。ライセンス変更の難しさは、伽藍方式とバザール方式の際立った相違点の一つかもしれません。

*1:追記:ちょっとこれは言い過ぎかも。ソースコードは公開する。ビルドすれば同じバイナリになる。でも、「その」ハードウェアでしか動かないということかな。ソースを公開するのでアイデアは共有できる。

/* -----codeの行番号----- */