アラン・ケイと未来への展望

id:squeakerさんの対話にコメントをしたところ、丁寧なお返事をいただきました。ありがとうございます。以下、コメント欄に書こうと思ったのですが、長くなるのと多分にアラン・ケイにたいする勝手な思い入れが含まれますのでよそのコメント欄を汚すのをやめて自分のところに書くことにしました。
5/22のお返事( id:squeaker:200050522 )を読んではっきりわかりました。もとのアラン・ケイの発言を読んで違和感を感じたのは、それが自分が聞きたいと望んでいることではなかったのが理由です。
アラン・ケイといえば、私の年代ですこしでもUIFに関心を持った人間なら説明不要の偉人です。彼(等)は理論的な指導者だっただけではなく、実際に動くコンピュータシステムを作って未来の方向を指し示しました。PARCがSmalltalkとそれのベースになる/それをベースにした、プログラミング・パラダイムユーザーインターフェースを作ったのは70年代ですが、Appleがその成果にマルチウインドウだけでも追いつくのにはたっぷり3,4年はかかってます*1。MacAppによる新しいプログラミング・パラダイムの導入にはさらに時間がかかっていますし、実世界にObject指向が広がるまでの時間を考えれば、PARCが作って見せたものがあの時世界を10年以上引き離していたことは間違いありません。しかもそれが新しい方向を指し示していたのですから、彼等の仕事はいくら高く評価してもしすぎることはありません。
それだけに、アラン・ケイには期待してしまうのです。「Windowsは間違っている」とか「昔のマシンはよかった」といった論評ではなく、「億単位のトランジスタを使うコンピュータはこうあるべきだろう」と作って見せて、それが見る人の度肝を抜くようなマシンであることを期待するのです。
そんなことが出来るかどうかは別の話ですが、私の中のやれるだろう人の候補に彼は入っています。
勝手な期待で妙なコメントを書いてしまってすみません。またいろいろな話を読めることを楽しみにしています。

*1:どこからどこまでを測るかで何年かかったかは違うでしょうね。5,6年といっても誇張ではないと思ってます。

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