かわいそうな自衛隊

自衛隊はかわいそうなのだそうだ

  • 危険なところに行くからかわいそう
  • 政治的な駆け引きの道具になっているからかわいそう
  • あいまいな立場のまま行くからかわいそう

自衛隊は古くから国内の危険な災害現場に出動している。要請があればなんとしても出動する。
軍隊は自衛隊が誕生する前から国家間の政治的駆け引きの道具だったし、自衛隊は生まれたときから内国政治の駆け引きの対象だった。野党だったときには声高に反対していたのに、与党になったとたん党首が閲兵に参加した党もある。
自衛隊は誕生したときから違憲であるのに、自衛隊がつぶされることも憲法が改変されることもなく続いてきた。ずっとあいまいな立場である。
自衛隊にとっては、ある意味何も変わっていないのにこの扱いの変わりようは何だ。

いつ崖崩れが起きるとも知れない災害救助にはいつも行っているのに「恋人を危険な場所にいかせたくない」と署名を募る女性は現れなかった。いつ撃ってくるかわからない「国籍不明機」にスクランブルをかけ続けたのに、「自衛隊を危険なところにやるな」と言う声はなかった。大荒れの海に海難救助におんぼろ飛行艇で着水しなければならないのに「そんな危険なことをさせてはかわいそう」という声もなかった。不審船も同じ。
自衛隊の業務は不思議なくらい無視されている。国内の保安業務というのはそれほど卑しいことなのだろうか。子供の頃、第七管区海上保安庁の飛行機が墜落したとき、乗組員が「危険な仕事に命をかけた」と読売新聞で大々的に賞賛されていたのがものすごく悔しかった。自衛官が落命すると扱いがものすごく小さいか、自衛官が悪者にされるかどちらかだった。父が自衛官だったおかげでこの世に平等なんぞないことは子供の頃から知っていた。
行くところがイラクだというだけで、いまさらかわいそうなどと言うんじゃない。
どんな人間でも人から褒められること、認められることをやりたい。そんなことはないと願うが、自衛官が内国保安業務より外地への派遣に意義を見出すようになるようなことがあるとすれば、それは自衛隊自身の問題ではなくて国民が悪いということだ。
お前たち、自衛隊の業務を色めがねで見るのはもうやめろ。

(この項だけ主観のみなので「である調」)