ハボタンとシクラメン

例年、この時期はシクラメンの小鉢を買い求めています。

私が子供の頃はシクラメンというと大きな鉢に豪華な株が植わっていたものです。まぁ、本物は見たことありませんでしたけれどね。最近は品種改良が進んだというか、日本人向けなのでしょう、かわいらしいミニシクラメンが広く出回っています。なぜか小さいと安い。

主に白いシクラメンを買っていたのですが、今年は何の気まぐれかシクラメンを買わず、ハボタンを買いました。

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Pentax K5 + Sigma 70mm macro

ハボタン。小学生の頃、冬の花壇に植わっている植物と言えばパンジーとハボタンでした。子供心に何が良いのかさっぱりわからず、ものの本で調べると花では無く葉を観賞すると。何とまぁ、馬鹿馬鹿しいと思ったものです。

それから40年経って、どうやらようやくハボタンの良さがわかる年になったようです。

さて、そんなわけで今年はシクラメンの無い冬だったのですが、何の偶然かお世話になったか方が一鉢送ってくださいました。

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Pentax K5 + Sigma 70mm macro

フリルのシクラメンとは珍しい。賞を取ったカンパーナという品種だそうです。確かに開く前の姿が鐘のようですね。普通のシクラメンは開ききると花弁がピンと上に伸びて美しいのですが、この品種は開く前の姿をめでるようです。

さて、今年もサボりまくったまま年の瀬となりました。皆さん良いお年を。

『オリエント急行殺人事件』

アガサクリスティの高名な推理小説を題材にした『オリエント急行殺人事件』を観てきました。

原作は未読ですが、映画は大変楽しめました。全編を通して豪華な一等寝台列車とそれを使って旅するにふさわしい紳士淑女達がによるきらびやかなシーンの連続です。舞台となるの列車の中ですので絵としては開放感の無いものになりがちですが。一方で冒頭のエルサレムでのハプニング、イスタンブールでの発車シーンなど、中東独特のほこりっぽさとうめき声を上げたくなるほどの人だかりが印象的で、序盤以降の雪山の景色と対照的です。

演技も楽しめました。これまでクリスティ原作の映画は観たことがありませんが、ケネス・ブラナー演じるポアロのエネルギッシュな話し方が大変面白かったです。内面の信念がにじみ出るような強いアクセントが素晴らしいですね。

肝心の急行列車も見所満載です。夜の雪山を走るシーンはちょっとCGにがんばりすぎて、なんだかイギリスの某魔法映画のCMでも観ているような錯覚になんどか陥りましたが、なんと言っても見所は一等寝台の客車と豪華な食堂車。そして、これでもかと言うほど真っ白に現れたナプキンと美しい食器の数々です。

登場人物もそれぞれに三つ揃いを一分の隙もなく着こなして見せたりと、ハリウッドの大作はこういう細部で手を抜きませんね*1

豪華な俳優とセットに加え、謎解きが進につれて不穏な影を落とす悲劇など、ストーリーも楽しめました。お奨めです。

*1:とはいえ、蒸気機関車が雪まみれだったり、物理的な甘さもハリウッドらしいと言えばらしいです。雪は解けちゃうはずですけどね

『ゴッホ 最期の手紙』

ゴッホを題材にした映画『ゴッホ 最期の手紙』を観てきました。

この作品は一旦俳優の演技を撮影した後、油絵で描き直した物をコマ撮りするという気の遠くなるような作り方をされた作品です。この話だけ聞くと奇をてらった映画に感じますが、全編にわたって息を呑むほど丁寧な絵作りと、終盤に向かっての観る者をぐいぐいと引きつけるストーリーがすばらしく、あっという間の2時間でした。

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『ドリーム』機械に酔いしれ、差別に打ちのめされる

日本では「差別と区別は違う」と耳にすることがあります。

概ね「区別しているだけのことなのに、過剰反応されてこまる」という意味です。本当に過剰反応のこともあれば、差別する側の言い訳のこともあります。

しかしマーキュリー宇宙船計画当時のNASAで働く三人の黒人女性を描いた映画『ドリーム』では、

「差別の実行は、区別として行われる」

ということを、嫌と言うほど見せつけられます。以下、だいぶネタバレがあります。

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チーズの味噌漬け

『エイリアン』を観た後につまみを買って帰ろうとしたのですが、いざ店に行って眺めてもピンとくるものがありませんでした。

そこで以前居酒屋で食べ、いたく気に入った「チーズの味噌漬け」に挑戦しました。ネットで検索すると山のようにレシピが出てきます。

私はお手軽にこんな風に作ってみました。

赤味噌とみりんを3:1くらいで混ぜてペーストにします。カットしたチーズの表面にペーストを塗りつけ、サランラップに包んで冷蔵庫へ。

当日と翌日で食べ比べました。流石に当日のものは「チーズ味噌」の域を出ていません。翌日食べたものはやや味噌がしみこんでおり、なかなか面白い味になっていました。

2,3日寝かすと面白いかも知れません。

『エイリアン コヴナント』

映画「エイリアン コヴナント」を観てきました。

リドリー・スコット監督による1979年の映画『エイリアン』は、地球外生物のショッキングな造形、次々と姿を変える生物、常に後手後手にまわるクルー、閉鎖空間での息詰まる展開、迫る宇宙船爆発の危機といったストーリーの良さ、そしてそれらを支える映像の美しさから映画史に残る作品になっています。実際、この映画は一度観ると忘れられないほど強い印象を観客に与えます。私が初めて観たのは中学生か高校生の頃で、年末のテレビ映画だったと思います。父親と二人でブラウン管の前で凍り付いていました。

さて、今作ですが各種作られたシリーズ作品の内、リドリー・スコット監督自身による「プロメテウス」の続編に当たる映画です。1979年の「エイリアン」とはパラレル・ワールド的な作品となり、直接的なつながりは無いんじゃないかと思います。

さて、肝心の内容ですが本当につまらなかったです。あらすじを紹介するのも嫌なくらいです。

リドリー・スコット監督は『エイリアン』『ブレード・ランナー』と映画史に名前を刻む作品を二本撮っています。しかしながら、この人はストリーで見せる人ではなく、映像で見せる人です。そんな人が、自身が撮った怪物映画の関連作に再度挑戦したのですが、おなじみ地球外生物がよく動く作品にしかならなかったという残念な結果になってしまいました。

エイリアン映画には

  1. 最強宇宙生物が現れ
  2. クルーが次々と死に
  3. 女性クルーが逃げ惑い
  4. 最後に反撃してやっつける

という定型があります。これに加えて

  • フェースハガー
  • 胸を突き破ってブシャーッ

というお約束があるわけで、いくら最初の作品から40年近く経って映像技術が進化したとはいえ、これらのお約束を繰り返されると「またそのシーンですか」と、うんざりした気持ちになります。

何か新しいことを期待していったのですが、期待外れでした。