古さを感じさせない『ブルーサンダー』

映画『ブルーサンダー』をNetflixで見ました。

公開から実に35年経過しており、ストーリーにもアラが多いと言える映画です。とはいえその主題は古くはなっても、古臭さを感じさせないメッセージ性の強いストーリーが印象に残る作品です。

オリンピック開催を目前にしたロサンゼルス市。エアポリスのパイロットであるフランク・マーフィーは、「素行に少々問題のあるベトナム帰りのベテラン」としての地位を楽しんでいます。事件があれば地上部隊を加勢しますが、平時は望遠カメラ付きヘリコプターを使って女性の部屋をを覗くなど、役得に手を出すことに躊躇がありません。そんな彼に市のトップを通して軍からの依頼がまわってきます。超低騒音飛行が可能で、赤外線ビジョン、高感度マイクロホン、ネットワーク機能搭載、視線入力射撃機能付きの最新鋭ヘリ、『ブルーサンダー』のテスト飛行の依頼です。しかし、このテスト飛行は実は直前に起きた市の少数民族保護担当者殺人事件と繋がる陰謀の一部なのでした。

ということで、公開は1983年。世が『オーウェルの1984年』に再注目していた時期でした。この作品では、背景に『少数民族扇動を扇動して暴動を起こさせ、新型ヘリの武力鎮圧能力を市街地で検証する』という軍部の陰謀をおきながら、『テクノロジーによる市民監視への危惧』を重要なテーマとして掲げています。

もちろん主軸はヘリコプターを中心としたかっこいいアクションであり、特撮技術をフルに活かした見どころの多い映画です。超望遠カメラで撮影した、橋の向こうから上昇するブルーサンダーの姿は一度見たら忘れられないでしょう。また、高層ビルを盾にしたヘリコプター同士のガンファイトも、西部劇の歴史のあるハリウッドならではと言えます。

余生をなんとなく生きているだけの主人公が、陰謀を前にした時に正義感を取り戻す、というストーリーも鉄板といえます。

ブルーサンダーの「ささやきモード」は大変奇天烈なものであり、映画のタイトルバックで「この映画の技術はすべて実在のものだ」と表示さた時、世のヘリコプターファンは苦笑したものです。しかしながら、それを除けば、ブルーサンダーに搭載された技術は

  • 赤外線ビジョン→当時から赤外線映像は可能だが、カーテンの向こうの映像を撮ることは今でも無理。ただし、レーダーを使えば壁の向こうの様子に人がいるか否かはわかるようになった。
  • 高感度マイクロフォン→現代ではレーザーマイクロフォンで窓の向こうの会話を聞ける。
  • ヘリコプターから電話→遅くとも90年台中盤にはSMR(日本で言う業務用無線)から一般電話網へ電話をかけることができるようになった。
  • ネットワーク機能→現代では当たり前の技術。90年台後半には日本でもセルラー電話にモデム接続できるようになった。
  • 視線入力射撃→当時から可能

と、それほど的を外していません。ビデオテープの内容を遠隔で消去することは当時は荒唐無稽に感じましたが、今では遠隔データの消去はごく普通のセキュリティ技術です。

ブルーサンダーが描く世界は、上質のSFにおける未来予測のようです。データバンクに個人情報を収めるのが政府だけでなく私企業になった点で、当時考えたよりも悪い未来が来ていると言えるでしょう。

アクションを楽しんでよし、当時の世相を楽しんでよし、と改めて作品の良さを堪能しました。

……テープはマーフィーがガールフレンドごと運べばよかったように思えますが、見せ場を作るためには回り道も必要ですね(苦笑)。

台風19号と神奈川県の貯水量変化に見る治水の重要性

昨晩首都圏上空を通過していった令和元年台風19号"Hagibis"は、台風15号と異なり雨による被害を多く残していきました。昨夜はこの雨をめぐって相模川流域で困難な治水作業が行われたようです。その様子を結果から振り返ってみてみます。

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刑務所の通用門

テレビドラマ『太陽に吠えろ』の再放送を見ていたところ、家族と「犯人が出所してくるシーンの高い塀の刑務所のロケ地はどこだろう」という話になりました。

この番組では非常に高いコンクリート打ちっぱなしの塀の刑務所がよく出てきます。果たして本物の刑務所なのか、それとも何か別の施設なのか。

これまではなんの疑問もなく本物の刑務所だろうと思っていたのですが、高さ3,4m、ひょっとするとそれ以上ありそうな塀です。ちょっと頑丈すぎるかもしれません。と思って調べたところ、同じようなことを調べた方がいらしゃいました。どうやら旧中野刑務所のようです。

tourofancientbattlefield.blogspot.com

wingaea.at.webry.info

正門の保存の動きがあったそうですが、中野区は再検討中だとか。

 さて、いろいろ調べているうちに面白いことに気づきました。

刑務所には大型のトラックの出し入れ用の通用門があり、これが二重扉になっています。当然、脱走防止のためでしょうね。刑務所は全体が厳重な扉の中にあるように感じますが、実際は事務等は厳重なエリアの外にあるようです。考えてみれば当たり前でのことで、刑務所の職員でも刑務官ではない人が囚人と接触しやすい構造はよくありません。

さて、Google Mapで通用門の構造を調べてみました。

むぅ。名古屋は軽快な感じですね(言葉を選んだ)。

東京都町田市縁起

むかし、むかし、今でいう横浜市中心部のあたりや川崎市は全部東京都に入っていました。この地域は東京のベッドタウンという事でずいぶんと栄えたものです。

ところがある日、今でいうセンター南のあたりで火山の噴火が起きて、たいそう人々が迷惑をするという事が起きました。この噴火は長く続き、飢饉で多くの人が倒れたものです。それどころか、ようやく噴火が収まったと思ったら、今度は噴火口の周りがどんどん沈み始め、雨水が溜まってとうとう大きな湖になってしまいました。

困ったのは東京都知事です。復興はしなければなりませんが、お金は払いたくありません。仕方がないのである日神奈川県知事を呼びつけるとこう言いました。

「あなた方神奈川県民は別にえらい人間でもないのに、東京のそばに住んでいるからと言ってたいそうな人物のような顔をしている。こういう時くらい人の役に立つことをして功徳を積みなさい」

そうして、南東京カルデラ湖と名付けられた地域を無理やり神奈川県に押し付けたのでした。

goo.gl

神奈川県知事は困りましたが仕方がありません。結局大金を投じてこの地域を埋め戻し、川崎市横浜市北部を人の暮らせる土地にしたのでした。そうして、たいそう苦労して湖を埋めて作った川崎と横浜は、その後多くの人が移り住んでにぎわったそうです。

今でもセンター南のあたりを囲むように緑地がありますが、これは旧火口の名残です。

goo.gl

さて、外輪山の突端に位置していた町田は、それほど被害が大きくなかったので東京都に残されました。町田市が神奈川県に向かって突き出しているように見えるのは、このためです。このように、町田市はもともと由緒正しく東京都なのであって、

「神奈川県町田市」

などと言って笑うのは見当はずれなのです。

いちごさかえた。

 

収納実験

GIVIのトップケースとパニアケースが揃い、SV650にもフィッティングを装着したのでフルケースで走ることができるようになりました。ということで、収納実験です。

用意したのは以下のキャンプ用具です

  1. テント:1-2人用3シーズンテント。前室あり
  2. テント用下敷き(銀のシート)
  3. クッション
  4. シュラフカバー
  5. シュラフ
  6. コンロ
  7. ホワイトガソリン・ボトル
  8. 三脚椅子
  9. クッカー

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ここにキャンプ道具があるじゃろ

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こうじゃ!

いやー、入るものです。テントは入らなくても仕方ないと思っていたのですが。1から4が写真右、5から9が左に入っています。左のケースはまだ余裕がありますので小物がはいります。

トップケースにはこの他に雨具と寒い時のための防寒具を入れます、余裕で隙間がありますので、贅沢品を入れることができそうです。

  • ターフ
  • テーブル
  • 焚き火台
  • リラックスチェア

うむ。ゆるキャンの影響がもろに出ていますね。私のキャンプ道具はどれも25年以上使っています。というか、あまり使っていませんでしたね。使っていた頃はキャップに行ったら寝る。起きたら走る、というストイックなサイクルでした。

再開するにあたっては、少しは余裕のある遊びにしたいところです。寒くない時期なら1眼レフと三脚も持ち運べるかもしれません。

来週あたりに荷物を積み込んで日帰りで試走の予定です。10月は海外出張があるため、今シーズンは月末頃にリハビリキャンプをやって終わりになりそうです。

 

DELL Inspiron 580s Ryzen化のまとめ

何回かに分けて書いたInspiron 580s のRyzen化についてまとめておきます。

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ケースに収める前に記念写真

DELL Inspiron 580sについて

このコンピュータは9年前に購入したものです。  CPUは第一世代Core i3 530です。最初は買い替えようと思っていましたが、基板がMicro ATXであることに気がついてアップグレードに切り替えました。

アップグレードにこだわったのは筐体が気に入っていたからです。フロントパネルは安っぽいですが、内部は堅牢で金属加工のエッジ処理も丁寧なコンピュータです。

購入部品

購入したのは以下の部品です

  • CPU : Ryzen 5 3600
  • MB : Asrock B450M Steel Legend
  • 主記憶 : 32GB
  • SSD : SATA 2TB
  • TPM : ASROCK TPM2-S

馬車馬として使う予定ですのでクロックアップは初めから予定していません。最近は公式に「オートチューン」が提供されているようですが、無視しています。

CPUは今年発売されたZEN2シリーズのローエンドですが、目的が組み込み開発とAdobe Lightroomなのでこれで十分です。なお、現時点では主記憶とSSDにここまで張り込む必要は無いのですが、しばらくアップグレードのことを気にしたくないのでこの構成にしました。

TPMSSD廃棄時の保険です。ここまでやる必要があるかどうかは別として、私は可能なときにはいつもディスクを暗号化しています。

作業時に躓いた点など

相性問題のようなことはおきませんでしたが、以下のような点で手こずりました。

  • m.2 SATA ストレージの取り付け位置
  • SATAコネクタの向き
  • キーボードの認識が不安定
  • ブートが遅い
  • Windows 10でオンボードLANの接続が切れる

いずれもマザーボードの問題です。

m.2 SATA ストレージの取り付け位置

m.2ストレージのソケットは、2箇所あります。このうち、CPUに近い方(m2_1)はPCIeおよびSATAに対応しており、テスト済みストレージリストにSATA SSDも掲載されています。ところが、m2_1に挿したところ今回購入したSATA SSDを認識しません。

この件でネットを検索したところ、同様な問題がこのマザーボード以外でもASROCK製品に起きています。結局「ASROCKの公式マニュアルの不備」と結論づけました。

SSDはCPUから遠い(m2_2)スロットに装着しています。

SATAコネクタの向き

さて、m2_2スロットはマザーボードのSATA3 ポートと、CPUのSATA端子を共用しています。つまり、SATA3ポートは使えなくなりました。ここで新たな問題がおきます。B450M Steel LegendはSATAポートが基板の横方向に出ています。これはケースに余裕があれば問題にはなりませんが、私の場合はシャシと干渉してしまうのです。

私のシャシとB450Mの組み合わせでは、使えるのはSATA3, 4ポートのみとなります。そしてSATA3は上に書いたように使えません。ところが、データストレージのHDDとBD用にどうしても2ポート必要です。

結局、部品箱の中にL字型端子のSATAケーブルがあったのでなんとか難を逃れました。写真を見ていただければ想像できると思いますが、一度基板をシャシから外してケーブルを刺し、再度シャシに組み付けています。

 

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SATA端子が横に出ているので苦労した

キーボードの認識が不安定

コールドブートするとキーボードを認識しません。この問題は再現性が不安定です。POSTメッセージ表示中に抜き差しすれば認識することもあります。また、OS起動後なら間違いなく認識します。

症状からいってBIOSの問題です。

BIOSを2019年8月版にアップデートして解決したように思えますが、ひょっとしてこれは錯覚かもしれません。もうちょっと様子を見ます。

ブートが遅い

 OS起動の前、POSTが終わるまでの時間が長すぎます。ネットでもこの問題は話し合われています。概ね「10秒以下なら問題ない」という論調でIntelプラットフォームならこの程度のようです。が、私の構成は30秒くらいかかっていました。BIOS設定でCSMをオフにすると5秒位短縮します。

Ryzenはだいたいこんな感じらしく、コミュニティは「AMDがきちんとしたBIOSをリリースするのを待つしか無い」と、半ばあきらめムードです。

www.reddit.com

LANが切れる

ブログを公開した後に気が付いたのですが、Windows 10で使用しているとLANが勝手に切断され、勝手に再接続されます。これまではほとんどLinuxしか使わなかったこと、切断で不具合が生じるアプリを使ってなかったことから気づくのが遅れました。

結局、LANチップであるRTL8111H用の最新ドライバをリアルテックからダウンロードしてインストールすることで解決しました。

まとめ

多少つまづきましたが、組み上がってみれば非常に快適に動作しています。このマシンとも長い付き合いになるといいな、と思っています。

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初代 Core i3 530が入っていたInspiron 580s を Ryzen 5 3600機に改造完了

 

AMD Ryzen シリーズのブートが遅い件

Ryzen 5 3600のUEFIファームウェア動作時間が長く、ブート時にイライラすることがあります。これをやや短縮しましたが、まだ正常と呼ぶには程遠い状況です。

先日、PCをRyzen 5 3600 ベースにアップグレードして大幅な性能向上を果たしたわけですが、腑に落ちないことが二つありました。

  • キーボードを認識しないことがある
  • OSブートに入る前の時間が長すぎる

キーボードの件はASROCK B450M STEEL LEGEND のファームウェアをアップデートしてから再現しないので、アップデートで解決したようです(v2.1 → v2.6)。

さて、ブートに入るまでの時間です。この時間はタスクマネージャのスタートアップタブから、「直前のBIOS所要時間」として取得することができます。

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直前のBIOS所要時間

この時間は10秒以下なら問題なく、2,30秒かかるようなら何か問題があると考えられるそうです。が、私のPCは40秒を超えていました。調べたところ、やはりAMDのユーザーコミュニティで問題視されていました。

www.reddit.com

投稿者の「42秒かかる」という声を筆頭に20秒台が続出。たまに

「みんな遅いね。私は11秒」

なんて声があるかと思うと、Intelユーザーです。

当該スレッドの結論は以下のようなものです。

  • CSMをオフにするとやや短縮できる
  • ブートデバイスの順番は関係ない模様
  • USBデバイスの問題でもなさそう
  • リセット後ディスプレイの電源が点滅するので、ビデオ・デバイスがらみではないか
  • おそらくAMDBIOSベンダーの不手際で、根本解決は今後のアップデート待ち

私の場合はCSMをオフにして25秒まで短縮しました。もう15秒ほど削りたいです。それにしても、動作周波数3GHzのプロセッサで25秒も何をしているんでしょうね。