十年ちょっと前に「草の花」と一緒に買った本です。ようやく読みました。純文学ですね。
- 作者: 福永武彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1971/06
- メディア: 文庫
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静かさというのは、どうやら福永武彦の短編のキーワードでしょうか。世界が崩壊するシーンですら激しいカタルシスとは無縁の作品群の中で所々光るのは繊細で詩的な描写です。作品の流れが静かなだけに描写の繊細さも際立ちます。タイトル作の「廃市」と「退屈な少年」が印象に残っています。
幾分の物足りなさを感じるのは、たぶん私がプロット重視に偏重しているからでしょう。