MotoGP

第十戦はドイツのザクセンリンク。混戦の今シーズン、ポイント争いを繰り広げるヘイデン、ペドロサ、メランドリ、ロッシが最後まで緊迫する優勝争いを繰り広げた、よいレースでした。
前半、びっちりと詰まった単縦陣を抜け出してロッシがトップに立つと、残り3台が離されずに付いたまま順位を争う展開が続きます。大きな動きがあったのは残り3周。メランドリがロッシをかわして先頭に立ちます。追いすがるロッシも1周様子を見た後、1周と少し残すのみとなった裏ストレート・エンドでメランドリをパス。メランドリが得意なホームストレート・エンドもきっちり絞めてブロックします。メランドリが挑戦者らしい激しいアタックでロッシを攻めたてると、ロッシはベテランのうまさでコーナー毎にメランドリを押さえつけます。
最終コーナーを立ち上がって前に立っていたのはロッシ。0.14秒差でメランドリを従えてのゴールでした。ロッシ、メランドリとも骨折を負ってのレースでしたが、一ヵ月半の夏休み後の大暴れを期待させるレースでした。

今レースのもう一つの見所

さて、もう一つの見所はG+解説の松戸。カワサキの開発ライダーである彼は、今回ゲスト解説者として登場したわけですが、これがもう、最初の一言二言から「ああ、だめだ〜」と思わせるしゃべりっぷり。話が滑らかじゃないのはご愛嬌として、最初から最後までの話が一貫していない、何を言いたいのかわからない、形容詞のおよそ30%が「すごい」という、スゴイ解説者ぶりでした。
あまりの緊張と、自分のダメ解説者振りに落胆したか、終始小声の松戸ライダー。そして、そんな松戸に次々と話を振る実況アナウンサー。常々レースの流れどころか会話の流れすら読めないアナウンサーだとは思っていましたが、今日は何度「空気読め」と思ったことか。
中盤、レースが膠着したところで青木と松戸が解説者同士の話をしていましたが、これが実にナイス。青木は怪我のせいか、普段から静かな話し方をしています。そして話し相手の松戸は萎縮しきってこれも小声。300Km/hでストレートを駆け抜けるモンスターを見ながら交わされる、まるで碁の解説のような静かなトークMotoGPを見ていてよかったと心の底から思える瞬間でした。
普段、壊滅的なしゃべりを垂れ流しているアナウンサーが松戸をフォローしたときに青木が爆笑していたのも印象的でした。彼のこんな楽しげな笑いって初めて聞いた気がします。

日本語をあきらめればいい

松戸も、単車に乗って頂点を目指そうなんて男ですから、カメラが回っていないところではきっとブイブイいわせてるんでしょうね。使い慣れない日本語を使おうとしたのが失敗だったのではないでしょうか。
「松戸さん、このコーナーはどんな風に攻略するんですか」
「そーですね、カーッと突っ込んでぎりぎりでググッと減速しながらコンコンコンコンとギヤを落としてですね、スパッといってクォーンと回してやればトラクションもばっちりです」
てな小僧トークなら、結構イケたんじゃないかと。

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