沸騰が続くと泡が出なくなる?

ugemさんの質問。水をやかんにかけたときのふるまいについて。

沸騰するまでにポツポツ出て来るのは水中に含まれていた空気で、沸騰した後に盛大にブクブク出て来る奴は水蒸気だと数十年来思っていました。ところが、そのままずっと沸かし続けると泡がほとんど出なくなる事に最近気がついたのです。水蒸気だったらそのまま出続けても良さそうなものですが,何故泡が出なくなるのでしょう?水蒸気は出るけど泡にならないメカニズムとかあるのでしょうか?

また難しい質問ですね。私は答えを知りません。妄想くらいならできますが、そもそも沸騰がすすんだあと、泡が出なくなるなんて気づきませんでした。動画プリーズ。
さて、泡が出なくなることを前提に妄想してみます。というか、その前に水蒸気の泡がぼこぼこ出てくる理由すら自分が知らないことに、たった今気づきましたよ。そこで全力で妄想してみました。比較的底の深い容器をしたから加熱している状態を考えます。やかんをコンロにかけている状態ね。
この状態では

  • やかんの底は激しく火であぶられているので、高温になる。
  • あぶられた部分の熱は金属であるやかんの底を伝って横に広がる。
  • 同時に、直上の湯を温める
  • 湯は激しい対流によってやかんの底を奪い取る

という、活動が起きているはずです。対流は熱せられて軽くなった流体が、上昇することで冷たく重い流体と入れかわり、熱を奪い取る現象です。それ自身は比較的秩序だった現象で、流体が及ぶ範囲で熱を均一にしようとします。私の妄想では、この「及ぶ範囲で均一」になろうとしている性質が、キーです。つまり、熱せられた一部だけでなく、かなり大量の水が沸点である100度にほぼ同時に近づいていきます。
ここで視点をすこし変えてみましょう。やかんの底は、やかんの水面より圧力が高いです。その圧力差は10cmあたり0.01気圧になります。よく知られているように、気圧の低い山地ではお湯が低い温度で沸きます。つまり、やかんの底は、やかんの水面より沸点がやや高い状態にあります。
ここでやかんの底に局所的な熱の揺らぎがあって、その部分の湯が圧力を打ち破って気化したとします。その水蒸気は小さな泡を形成しますね。で、上昇を始めます。すると、泡の下に近傍の熱い湯が流れ込みます。ここが私の妄想のポイントなんですが

泡の下は、同じ深さの泡のない部分より圧力が低い

ことから、より沸点が低くなるのではないかと思うのです。泡が小さいときには熱的な揺らぎに打ち消されるかもしれませんが、やかん全体の熱量が上がって大きな泡が発生するようになると、泡の下部の薬缶の底に接していない部分でも連鎖的に気化が始まります。大きな泡の仮面も気圧は低いので活発に気化がおき、泡自身も成長します。気化は熱を激しく奪いますが、与えられる熱がそれを上回ると、薬缶全体で水蒸気の泡がさらに他の泡を生む沸騰状態になります。この状態では既に対流はその効果をかき乱され、かわりに泡が生み出す激しい湯の動きが全体の温度を均一に保つ働きをします。
で、沸騰がすすんで泡が出なくなることが起きるとすれば、それは湯が減って圧力差による泡の連鎖発生がなくなった時じゃないかと思いますがどうでしょう。
ugemさん動画プリーズ

箸休め

妄想ばかりじゃ何ですので、書いたあとに調べた結果を照会。沸騰おもしろいです。