この製品の仕様

真空圧力炊き Σ( ̄□ ̄)
沢村忠
このネーミングについてグチグチ言うのはよして、真空圧力炊きとは何か、メーカーサイトに行く前に予想して見ましょう。

真空圧力炊きとは何か

まず最初に我々が行うべきは、発想の転換です。圧力=高圧という固定観念を捨て去らねばこの製品の高邁な理想に近づくことはできません。圧力鍋は確かに高圧を利用しておいしい料理を作る事ができます。我が家でも存分にその恩恵にあずかっております。そのおいしさゆえに毎週カレーを作るあまり、圧力鍋で作った料理からかすかにカレーの香りがするほどです。しかしここで考えている真空圧力炊きは、圧力鍋とは違う原理だと思われます。
圧力とは面を通して物体がかけてくる力のことです。その力の強弱は「圧力」という言葉にはなんら含まれていません。では真空圧力とは何でしょう。それは文字通り、真空の持つ圧力に違いありません。では真空の圧力とは?
真空の圧力とはもちろん0です。0気圧。0ミリバール、0ヘクトパスカル。水銀柱を1mmたりとも押し上げないのが真空の圧力です。0ではおいしい料理ができそうにありませんが、こんなところで立ち止まるようでは我々が捨てると決意した固定観念に、まだ縛られていることになります。
真空の持つ0と言う圧力には、我々が日常体験できないような二つの現象を見る事が出来ます。
第一に、食材にとって0気圧とは負の圧力です。我々生物は常々大気の持つ1気圧と言う圧力の下で生きています。このため、体の隅々まで1気圧はいきわたっており、どこを切っても金太郎飴のように1気圧になっています。そのため、我々が真空にさらされると体中の皮膚が引っ張られるような力を受けます。これは真空が引いているのではなく、体の中の細胞や液体が1気圧の力で外に押しているのです。
第二に、0気圧では常温の水は安定して存在できません。あっという間に沸騰します。常温で沸騰するのです。高山でお湯を沸かそうとするとぬるま湯のまま沸騰するという現象と同じです。
さて、ここまで来ると真空圧力炊きの正体が見てきました。負の圧力と常温での沸騰。この二つを基に製品の動作を予想してみましょう。
炊飯器に米と適量の水を入れて蓋をします。電源を入れるとしばらくしてモーターの回る音と、ポンポンという音が聞こえ始めます。これは鍋が内部を真空に引く音です。内部の圧力が下がると共にモーターの音は苦しげになりますが大丈夫。圧力鍋と違って高温で爆発することは決してありません。
圧力が下がるにつれてお米の中の水分はどんどん外に出てきます。水に浸っているのに不思議な話ですが、この場合お米の内部の圧力より水のほうが圧力が低いのです。コメの中の気体と液体はどんどん出てきます。
さて、圧力が0.04気圧まで下がったとき、劇的な現象が起きます。水が常温で沸騰を始めるのです。沸騰によって水温はさらに下がりますが、水蒸気が炊飯器の中に満ちるため、圧力の低下はゆっくりになります。
さて、この炊飯器は真の真空のはるか手前、常温での沸騰を持ってポンプの動作を止めます。そして0.04気圧で待つこと20分。今度は気圧を上げて行きます。減圧よりも速やかに大気圧力に戻ってくると出来上がりです。蓋を開けるとあら不思議、ご飯が炊けています。
超低圧に引いたあとに圧力を戻すと、低圧になじんだコメの中に今度は周囲の水が浸透していくのです。その圧力差があまりに大きなため、コメの中には水が隅々までいきわたります。
そう、この炊飯器は全く過熱せずに直接冷や飯を炊くという画期的製品です。
冷や飯と侮る無かれ。高温調理を行わないため、食材のビタミンが破壊されること無くそのまま残ります。酸素による酸化も進まないため、色艶もよく、素材の風味が失われません。肉類は減圧時に肉汁を出し切ります。そしてそれが圧力を戻したときに他の食材にしみこむ為、味がよくなじんだ料理になります。
素材の風味と栄養を損なうことなく味のよくなじんだ料理を作る機械。それが真空炊飯器です。
冷やし中華好きのあなたに是非。

とまぁこんな具合

さ、メーカーサイトに行ってみるか。

うへぇ、

本当に減圧するのか。沸騰後に急冷するのか?

/* -----codeの行番号----- */