ティラノサウルスの歩く速度を推定した論文が発表されたそうです。
ティラノサウルスの歩く速度が、最新の研究で明らかに。 pic.twitter.com/36JsGpKzTC
— ロイター (@ReutersJapan) 2021年5月3日
時速4km程度とのこと。意外にゆっくりです。
さて、この研究に関しては論文発表者であるPasha van Bijlert氏がツイッターでつぶやいています。修士コースの方とのこと。
MY FIRST PAPER! We've developed a method to estimate the preferred walking speed of dinosaurs (spoiler: T. rex wasn't that fast)
— Pasha van Bijlert (@PashavanBijlert) 2021年4月21日
With Knoek van Soest & @Anneschulp
Check out those tail movements on Trix the T. rex (made with Rick Stikkelorum & Arthur Ulmann)#biomechanics
1/13 pic.twitter.com/G1kSTdUDWk
一連のツイートはなかなか興味深いものでした。核心となる考え方は
「動物は、与えられた距離を最小のエネルギーで移動しようとする」
というものです。
ティラノサウルスは大きな尾を持っていますが、エネルギーを小さくするため歩くときのリズムはこの尾の共振周波数と整合しているはずです*1。尾の大きさは化石からわかりますし、筋肉や人体は骨の形から推定できます。そこから尾の共振周波数を求めて、さらに得られたリズムと足跡化石から推定される歩幅を組み褪せて…というアプローチで解析を進めてこの速度を求めたとのこと。
より詳しいことを知りたい方は、公開されている論文にアクセスすることができます。
*1:整合しない場合、しっぽの動きを調整するために余計なエネルギーが必要になる