UI論

機械の表面上のスペックだけ比べて、「同じスペックならWindowsのほうが安いから」ってWindowsにしてしまう人を多く目にします。UIの素晴らしさに払うお金はないの?UIが使いやすければ、それだけ作業時間が減ってコストが短縮されるんだよ。ストレスも減るんだよ。

MacOSWindowsという図式で言えば、Appleが製品名に"MacOS"を使い出した頃にはPCに関する本質的なUI論は言い尽くされた感がありました。Apple社はUIに関して本当に優れた仕事をしましたが、それは"User Interface Guide line"の出版*1あたりがピークだったんじゃないかと思ってます。
その後Apple社は技術者や研究者が楽しそうに製品を弄り回しては放り出すと言うことを繰り返しました。一方で、製品としてみればMacintoshは漢字Talk7くらいから抜本的な書き直しが必要になっているにもかかわらず、Appleがこの体たらくでしたのでユーザーはいつもAppleの方針転換に振り回されました。
UIの悪い会社だったな。
Windowsはいつも品質の悪いMacintosh模造品といわれていましたが、ユーザーの立場ではWindows95Macと同じ程度の使いやすさに追いついていました。後は割りと細かいことで、Windowsだからだめ、Macだからよいということはなくなっています。安定性に問題がありましたが、それはMacも同じでした。
Windows NT 4.0の登場で使いやすさと安定性を手に入れた頃に、私は迷走するAppleと手をきることにしました。
80年代においてApple Macintoshは本当に革新的で、すばらしい工業デザインに基づく製品でした。それはユーザーに持つ喜びを与えてくれました。
しかし、必要な技術革新はすぐに実装されつくし、やがてライバルにも追いつかれました。それでもミュージシャンとグラフィック関係のユーザーが多かったため、所有者は「感性」に訴えかける製品を持っているから自分もちょっと芸術的なんだと錯覚する喜びを享受できました。
その頃技術革新はもう必要ないし株価を維持できないと気づいたAppleは方針転換し、Xerox PARCではなくベネトンの方をむくことにしました。最後に必要な改良をMacOS Xでやったことは評価しています。
Quartz*2もAero*3もXgl*4も皆装飾過剰です。大事なのはPCで何をするかであって、どのPCを買うかではありません。そういう時代になったことが私にとってはとてもうれしいです。

*1:と、MacAppのリリース

*2:でしたっけ

*3:でしたっけ

*4:でしたっけ

/* -----codeの行番号----- */