とめ蔵

以前も紹介しましたが、「とめ蔵」という名の不思議な製品があります。一種のプラスチックなのですが、その不思議な性質から接着剤代わりとして使われます。ぱっと見は白い粘土です。その不思議な性質とは…

乾かない
買ってから2,3年しますが、決して乾きません。
やわらかい
これは不思議じゃないかな。指先で簡単にこねることができます。
べとつかない
くっつかないチューインガムみたいです。
強力
米粒くらいの大きさにちぎって、丸め、平面におきます。その上に別のものをおきます。3分くらいで結構硬くなるのです。

この不思議なプラスチック、物と物の間に挟むと重さでつぶれて時間と共にどんどん伸びていきます。そして、二つの間の隙間を埋めきってしまうため、信じられないほどの強度で固定します。その性質上、上から置くものしか固定できないのですが、言ってみれば家の中の置きやすいものがすべて固定対象になります。
たとえば、私はディスプレイ横にスピーカーを置き、その上に時計を置いています。こういう置き方をすると地震のとき危険なのでとめ蔵で留めています。が、米粒くらいの大きさでいいのをその5倍くらい使ってしまっていたのでした。何がおきたかと言うと、時計を持ち上げると、その下の2kg弱あるスピーカーが持ち上がったのです。そのまま落ちません。
「そんな強力な接着剤、家では使えない」と思うかもしれませんが、とめ蔵が真に不思議なのはこれほど強力なのに接着剤ではないことです。先の時計ですが、心持強い力をかけてひねってやるとやがて動き出し、最後ははがれました。はがれるのですきれいに。時計が乗っていたところには、極薄になったとめ蔵が白く張り付いていますが、これは指先でこすってやるとやがて丸まり、元のやわらかい粘土状の固まりになります。
紙のようなものでもとめることができるのに、綺麗にはがれる。まかり間違ってこびりついても中性洗剤で綺麗に落ちる。発売元の説明は読めば読むほど異様な印象が残り、詐欺ではないかとすら思えます。しかし、手元の「とめ蔵」は事実年単位の時間がたってもその強度が落ちず、しかも簡単にはがせて再利用できています。
こういう地味だけどすばらしい製品には長く残って欲しいので再度紹介する次第です。販売元がまた不器用そうで。商売大丈夫かな。

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