あなたが来たとき、地球は止まっていた

志、という言葉が社会で急速に価値を失いつつある今、それをきちんと言葉にして、後輩に伝えられる人は貴重です。ましてその言葉が外の人を感心させるほど影響力があるひととなるとどれだけいるでしょう。
近藤氏は数少ないその一人です。
ところで「はてな」は開発に重きを置く会社なので当然ですがメッセージは開発技術者向けです。

当たり前ですが、どんな世界も自分が何かを始める前は自分が居ない状態で回っています。しかも、そこそこちゃんと回っているのです。何か新しい事を始める時、「その世界はあなた無しでもちゃんと回っている」状態から出発する事を忘れないでください。極端な話、「自分が生まれなくても地球は問題なく回っていた」のです。

ところがサポート技術者に関してはちょっと状況が異なります。というのは、あなたがサポートの仕事に就くとき、そこにあるのは「動かない世界」です(w。あなたが何とかしないと動かないんです。
そして、自分がいなくても世界が動き続ける仕掛けを作り、その場から粛々と退場するのがサポート担当者の究極の目標です。仮面ライダーは慈善事業としてショッカーと戦っていましたから、ショッカーを倒した後はレースに戻ったはずです。しかしプロの正義の味方は悪がいなくなると失業するでしょう。
トラブルがなくなるとサポートは失業します。
しかし、それでもトラブルは解決するのではなく、起きないようにすることが目標でなければなりませんし、そのためには低予算の中で常に新しいことを学び試みる努力が求められます。さらには習得した技術はどんどん若手に伝えなければなりません。その若手も後輩にどんどん技術を教えられる人間に育てなければなりません。そして努力が実ると多分合理化されます。くびですね。
ま、その時点で合理化するような会社には未来はないですから去っても悔いはないでしょうけど、組織の機能として自分なしでも顧客が速やかに製品化を終え、生産を滞りなく出来るようにしなければならないというのはいつもサポート技術者が考えているべきことです。
「これはxxさんじゃないと出来ない」などと褒められるのは恥だと考えなければ。
そうやって考えていてもなかなか思うようになりません。難しいものです。
などと言うことを思いながら近藤氏の文章を読みました。