科学者を拒む人、人を拒む科学者

「それは私の仕事ではない」という返事は、世間一般どこでもより深い*1説明を求めると帰ってくる答えです。科学者の仕事は科学の探求。一般への説明は別の人の仕事ってわけです。
私はこういう発想は嫌いですし、逆にどんな形であれ科学や技術を何らかの形で非専門家に向けて説明しようとしている人は好きです。でもってそういう人にはガンガン増えてもらわないとこの先、頭脳以外に売るもののない日本と言う国を維持することは出来ないだろうと思っています。
がちがちのダーウィン主義者としては、そういった活動まで技術者・研究者の成果として評価してしまえ!と思うのですがそうはイカのナントカなようで。先日とある大学校の教授と同席する機会を得ましたが、解説書の出版は教授選考会では何の評価もされないそうです。その方は熱心に一般技術向けの解説書を書いていらっしゃる方で、
「利用するのは自分の時間で、半ば趣味みたいなものです」
と自嘲気味に笑っていました。時間はともかく評価すらしてもらえないというのが問題の根っこをよく表しています。
科学者の言うことよりオカルティストの言うことを信じる人を批判するのは簡単ですが、人に向かって科学を説明する事を軽視する科学者も批判されるべきだと考えています。

*1:深いというより広い人向けかな。

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