何回かに分けて書いたInspiron 580s のRyzen化についてまとめておきます。
DELL Inspiron 580sについて
このコンピュータは9年前に購入したものです。 CPUは第一世代Core i3 530です。最初は買い替えようと思っていましたが、基板がMicro ATXであることに気がついてアップグレードに切り替えました。
アップグレードにこだわったのは筐体が気に入っていたからです。フロントパネルは安っぽいですが、内部は堅牢で金属加工のエッジ処理も丁寧なコンピュータです。
購入部品
購入したのは以下の部品です
- CPU : Ryzen 5 3600
- MB : Asrock B450M Steel Legend
- 主記憶 : 32GB
- SSD : SATA 2TB
- TPM : ASROCK TPM2-S
馬車馬として使う予定ですのでクロックアップは初めから予定していません。最近は公式に「オートチューン」が提供されているようですが、無視しています。
CPUは今年発売されたZEN2シリーズのローエンドですが、目的が組み込み開発とAdobe Lightroomなのでこれで十分です。なお、現時点では主記憶とSSDにここまで張り込む必要は無いのですが、しばらくアップグレードのことを気にしたくないのでこの構成にしました。
TPMはSSD廃棄時の保険です。ここまでやる必要があるかどうかは別として、私は可能なときにはいつもディスクを暗号化しています。
作業時に躓いた点など
相性問題のようなことはおきませんでしたが、以下のような点で手こずりました。
いずれもマザーボードの問題です。
m.2 SATA ストレージの取り付け位置
m.2ストレージのソケットは、2箇所あります。このうち、CPUに近い方(m2_1)はPCIeおよびSATAに対応しており、テスト済みストレージリストにSATA SSDも掲載されています。ところが、m2_1に挿したところ今回購入したSATA SSDを認識しません。
この件でネットを検索したところ、同様な問題がこのマザーボード以外でもASROCK製品に起きています。結局「ASROCKの公式マニュアルの不備」と結論づけました。
SSDはCPUから遠い(m2_2)スロットに装着しています。
さて、m2_2スロットはマザーボードのSATA3 ポートと、CPUのSATA端子を共用しています。つまり、SATA3ポートは使えなくなりました。ここで新たな問題がおきます。B450M Steel LegendはSATAポートが基板の横方向に出ています。これはケースに余裕があれば問題にはなりませんが、私の場合はシャシと干渉してしまうのです。
私のシャシとB450Mの組み合わせでは、使えるのはSATA3, 4ポートのみとなります。そしてSATA3は上に書いたように使えません。ところが、データストレージのHDDとBD用にどうしても2ポート必要です。
結局、部品箱の中にL字型端子のSATAケーブルがあったのでなんとか難を逃れました。写真を見ていただければ想像できると思いますが、一度基板をシャシから外してケーブルを刺し、再度シャシに組み付けています。
キーボードの認識が不安定
コールドブートするとキーボードを認識しません。この問題は再現性が不安定です。POSTメッセージ表示中に抜き差しすれば認識することもあります。また、OS起動後なら間違いなく認識します。
症状からいってBIOSの問題です。
BIOSを2019年8月版にアップデートして解決したように思えますが、ひょっとしてこれは錯覚かもしれません。もうちょっと様子を見ます。
ブートが遅い
OS起動の前、POSTが終わるまでの時間が長すぎます。ネットでもこの問題は話し合われています。概ね「10秒以下なら問題ない」という論調でIntelプラットフォームならこの程度のようです。が、私の構成は30秒くらいかかっていました。BIOS設定でCSMをオフにすると5秒位短縮します。
Ryzenはだいたいこんな感じらしく、コミュニティは「AMDがきちんとしたBIOSをリリースするのを待つしか無い」と、半ばあきらめムードです。
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LANが切れる
ブログを公開した後に気が付いたのですが、Windows 10で使用しているとLANが勝手に切断され、勝手に再接続されます。これまではほとんどLinuxしか使わなかったこと、切断で不具合が生じるアプリを使ってなかったことから気づくのが遅れました。
結局、LANチップであるRTL8111H用の最新ドライバをリアルテックからダウンロードしてインストールすることで解決しました。
まとめ
多少つまづきましたが、組み上がってみれば非常に快適に動作しています。このマシンとも長い付き合いになるといいな、と思っています。