システム移行中

懸案だったPCの新機種を購入しました。DELLのInspiron 580sです。メーカー機種買ったのって十何年ぶりかです。
これまで、譲れない条件として

  • 比較的静かであること
  • システムとバックアップの2台のHDDを内蔵できること
  • 妥当な価格

を立て、その縛りの中の一番いい解として自作をやってきましたが、とうとう年貢の納め時です。これまで使ってきたVista機は、劣化のせいでしょうか、いつの間にかずいぶんと騒音の気になる機械になってしまいました。一方でメーカー製PCって本当に静かで強力かつ安くなっています。
今回購入したのはDELL Inspiron 580sのベーシックパッケージに対して、OSをWindows 7 64bit professionalに変更するだけのカスタム化を施したものです。ためしに配達されたものをそのまま起動しましたが、標準の3.5inch 7200rpm 320GBドライブでもとても静かなPCです。ファンはCPU、天井、電源の3台が回っていますが、うるさいとは感じません*1
速度にしても本当の評価はこれからですが、今まで使っていたAthlon 64 x2 4400に比べて

  • コアクロックが高く(2.2GHz->2.93GHz)
  • 同時実行スレッド数は倍(2->4。コア数は同じ)
  • L3キャッシュ内蔵(0->4MB)

ですから、大して心配する必要もありません。
と、ここまでべた褒めですが、手元に来てからのカスタム化でえらく苦労しました。以下にその辺りの事を書いておきます。結論は「Windows 7 RCのディスクはとっておけ」です*2

目標とするカスタム化

手元に580sが届く前に以下のようなカスタム化を計画して用意を進めていました。

  • C:ドライブをSSD化する。Intel X-25M 80GB
  • D:としてデータ用ドライブを用意する。HGST 2.5inch 7200rpm 320GB
  • Z:としてバックアップ用ドライブを用意する。HGST 2.5inch 5400rpm 500GB

2.5inchディスクが、以前に比べて格段に低価格、高性能化しているため何の不安もなく採用に踏み切ることができました。これで大容量バックアップと静かさを両立できます。全部で3ドライブありますが、当然580sの選定時には「3.5inch HDDを2台内蔵できること」という条件で機種の絞込みをしています。
また、データの移行用に2.5inch HDD用のUSBケースを買いました。今は1000円くらいなんですね。
そのほか、常用バックアップに使い慣れたTrueImageWindows 7 64bit 対応版 *3を購入したほか、パーティション作業が必要になったときに備えてUbuntu 9.04のブートCD、バックアップ用の空DVD-Rを用意しました。

バックアップ

最初に出荷通りの構成で起動して動作を確認したあと、バックアップをとりました。バックアップは次の二つをとっています。

  • システムリカバリディスク
  • True Imageによる完全バックアップ

システムリカバリディスクはDELLの工場出荷時の設定にPCを戻すためのディスクで、パッケージには同梱されていません。また、パッケージにはWindowsのインストールディスクも同梱されていないため、ここでシステムリカバリディスクを作っておかないと、何らかの問題で起動できなくなったときに手のうちようがなくなります。このディスクはメッセージどおりに作業を進めれば簡単に作ることができます。DVD-R 1枚に収めることができました。
True Imageによるバックアップは、システムリカバリディスクの領域まで含めた完全バックアップです。2重にバックアップを取ったことになります。

ハードウェアの移行

バックアップ作成後に、3.5inch HDDを取り外し、2.5inch SSDとHDDの組み込みを行いました。マウント用のアダプタや電源の二股ケーブル、追加のSATAケーブルは購入済です。
ここでぎょっとするような事態が発生。HDDはシャーシにHDDを差し込んでねじで締めるのではなく、HDDに円筒形の頭のねじをねじ込み、クレードルにはめ込む方式なのです。通常の自作PCで使うようなシャーシ用ねじでは、つばの部分がクレードルにひっかかって先まで入りません。あたたたた、と額を押さえながら、昔*4買ったPC用ねじセットをあさった結果、丸頭のねじが代用できることがわかりました。完全とはいえませんが、これで妥協です。
さて、真のトラブルはここからでした。

ブートしない

SSDとHDDをセットして蓋を閉めた後にシステムの設定にかかります。
システムリカバリディスクから起動してSSDに工場出荷時イメージをコピーしようとして、エラーが表示されました。ディスクの容量は最低292MB必要だというのです。半端な数字ですがこれは320MB、つまり購入した580sの内蔵HDD以上のディスクにしかイメージを展開できないということです。実際にはC:ドライブに必要な容量は20GB以下ですから、この制限はコンテンツではなくリカバリツールの能力からくるものでしょう。パーティションを縮小してコピーできないのです。
こりゃえらいことになった、と思いつつも手はあります。直接SSDにイメージを展開できないのは痛いですが、どうしてもというときには今回買った320GBの2.5inch HDDに展開すればいいのです。そうしてその後SSDに対してパーティションサイズを変えながらクローンを作れば大丈夫なはずです。こういうときのためにTrue Imageをアップグレードしたのですから。
少し考えて、DELLの内蔵ドライブだった3.5inchのHDDからTrue Imageでディスクをクローンすることにしました。True ImageのCDで起動し、クローンを作ります。念のためにディスクのシグネチャも合わせておきます*5
さて、SSDから起動。ところが、起動に失敗します。これは少々ショックでした。True Imageも長く使っているソフトで、今の版で購入は3代目です。過去ずいぶん助けられたのですが、起動できないというのは初めてです。

ブートマネージャー

エラーメッセージを見ると、どうやらWindows7のブートマネージャーが、ブートすべきWindows7パーティションを見つけられないようです。かなり深刻ですね。DELLのイメージはリストアイメージを格納する関係か*6、ブートマネージャーが工場出荷イメージを格納する別パーティションに収められています。いったんこちらのパーティションで起動して、即座に別パーティションに飛ぶ仕掛けです。パーティションを図示するとこんな感じ

[1. FAT 16 Utilityies][2. NTFS リストアイメージ][3. NTFS Windows7]

ちょっと変ですが、最初にパーティション2でブートイメージが起動します。そしてパーティション3のドライブのWindows7をチェーンブートするのです。Windows 7パーティション2を無視し、パーティション3をC:であるとして以後の処理を継続します。ブートフラグがたっているのはパーティション2です。
さてどうすべきでしょうか。エラーメッセージは「Windowsのインストールディスクから『スタートアップ修復』を実行しろ」と言っていますが、580sにはインストールディスクがありません。リカバリディスクには「スタートアップ修復」機能がありません。
これにはほとほと困りました。
結局、あれこれ手を尽くして敗れ去った挙句、思いついたのは「Windows 7 RC」です。
まだ手元にあったRC1のインストールディスクでPCを起動して「スタートアップ修復」を実行したところ、無事SSDから起動することができました。このディスクは今後も保管することにします。

SATAじゃない

さて、元の3.5inch HDDは当然SATAドライブです。チップセットもOSも最新なわけですが、なぜかDELLBIOSATA設定になっています。何でやねん。
BIOSを強制的にAHCI(SATAコントローラ)設定にしても、起動に失敗します。これはよく知られたWindowsの問題です。BIOSATA設定に戻して起動した後、マイクロソフトの「ブート ドライブの SATA モードを変更した後で Windows 7 または Windows Vista ベースのコンピューターを起動すると、エラー メッセージ "STOP 0x0000007B INACCESSABLE_BOOT_DEVICE" が表示される」に従って修正することでBIOS設定をAHCIに変更してブートできました。その後、Intel RSTドライバをインストールして全ドライブをSATAドライバで使用できるようになりました*7
デフラグのスケジュールを確認したところ、C:以外のすべてのドライブが定期的最適化の対象になっていましたので、Windows7は正しくSSDを認識しているようです。

D:ドライブにプロファイルを

さて、C:ドライブはSSDなのでそれほど容量はありません。現在リッピングした音楽データと撮影した写真があわせて30GB程度あるほか、実験用にバンバンVMware仮想マシンを作るため、データをC:ドライブにおくのはあまり賢くありません。そこでユーザープロファイルごとD:ドライブにおくことにしました。
具体的な手順はこあだんぷと | Windows 7 (RC版)でユーザプロファイルをCドライブ以外に置きたいにあるとおり、レジストリで「HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\ProfileListにあるProfilesDirectory」の値をD:\Usersに変換する方法をとりました。こうやって作ったユーザープロファイルに古い機械でバックアップしておいたデータを次々コピーして、おおよその移行は終わりました。

まとめ

思ったよりも手がかかりましたが、結果的にはメーカー製PCのHDDを入れ替えるだけで十分満足できる性能のPCになりました。今足元で動かしていますが、ファンの音が少しする程度で、昼の間は外から聞こえる音にほぼかき消されます。あるいは夜も小さい音で音楽を鳴らしていればまったく気になりません。
3年まえに比べてずいぶん性能が上がったと感じます。CPUの性能があがったのはもちろんですが、SSDによる使用感の向上が大きいですね。Windows 7BIOS画面がでて10秒くらいでログオン可能になりますし、デスクトップも10秒くらいで完全に利用可能になります。
最近はソフトウェア開発のほとんどを仮想環境上でやるようになりましたので、そちらの使用感がどのくらい変わったかも興味がありますが、今のところそれほど変化があったようには思えません。仮想ディスクがHDD上にあるからでしょう。
Inspiron 580sはWindowsのインストール・ディスクがないのでSSDへの移行はかなりてこずりました。こういった問題もSSDがより普及するにつれて解決され、もう3年も経てば何も考えずにメーカー製PCで快適に作業できるようになるのでしょう。

*1:足元において使うときの感想。机の上だとファン音が気になるかもしれない

*2:追記:Easy BCDを使えば不要かもしれない http://d.hatena.ne.jp/suikan/20100412/1271044185

*3:True Image Home 2009

*4:本当に一昔前

*5:あわせたはず。少し心もとない

*6:追記:そうではなくて、もともとWindows7はブートマネージャーを隠しパーティションに作るらしい。おそらくDELLはそのパーティションを工場出荷時イメージの格納域として使っているだけ

*7:インテルのツールで確認すると「SATA:生成2」と表示される。どう見てもGeneration 2です。本当にありがとうございました