雨の夜に子猫が泣いている

連休中後半は二日にわたって雨でした。その最後の夜、昨晩ですが、床に就いたところ、はっきりとした鳴き声が聞こえてきました。

「鳴いているね」

「猫やろうか」

はっきりとした鳴き声が聞こえます。十中八九、我が家の敷地だろうと思って玄関を開けたところ、暗がりの中を影がさっと走っていきました。鳴き声は続いています。

「どうだった?」

「猫や」

戻って門灯を点けます。郵便受けを支えるために一本棒が立っているだけの名ばかりの門灯に明かりが灯り、まさにその郵便受けの下に雨を避けるように小さな生き物がうずくまって鳴き声を上げています。暗がりでよくわかりませんが、トラでしょう。

コンクリの階段の下からはフーフーと威嚇する声が聞こえます。見れば、子猫を従えた親猫が遠くから私を威嚇しています。どうも変だなと思ったら、私から離れた階段の途中にも子猫がいて、上るか降りるか決めかねているようです。

とにかく、足元の子猫。寒さに耐え続けて泣き続けているのでしょうか。かがむと目が合い、私から後ずさりました。

(どうしてほしいんや)

一人ごちた後しばらく考え、結局何もせずに家に戻り、再び寝床に潜って目を閉じました。子猫の声はしばらく続いていました。

そのうち犬か猫、可能なようなら両方を飼おうと家族と話し合っています。おそらくはどこか施設から引き取ることになります。

犬や猫を飼うという事は、生半可なことではありません。大きな責任が伴います。

人語を解さぬ生き物を人間の生活の形にはめ込んでしまうのですから、しつけと、運動と、餌と、安心できる生活の提供は飼い主の義務です。しかし、これは生半可なことではありません。私の仕事が(はたから見えるほど)楽ではない上に、通勤時間が長いこともあり、今飼えば犬猫の面倒を全部家族に押し付けることになります。とてもじゃありませんが、責任ある飼い主のすることではありません。

時期が悪かったというしかありません。数年先なら、一匹くらい拾い上げたかもしれないのです。

雨の夜に聞いた子猫の鳴き声が頭にこびりついて、あまり気分の良くない週明けです。

Givi のフィッティングを装着

SV650 ABS(2019)にGiviのトップケース用フィッティングを装着しました。フィッティングは以前調査しておいたものです。


 本当は6月のうちに終わらせたかったのですが、先月は忙しくて週末ごとに家でぐったりしていたので手が回りませんでした。

ボルトを締め込むとなかなかがっちりした感じになります。どの程度の強度か不安だったのですが、現物を見れば安心ですね。特にシート下に取り付けるサポート金具がガッチリして頼もしいです。

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Givi M5 ベースと3111FZフィッティング

なお、フィッティング3111FZにベースM5を取り付ける際には難儀しました。一時は

「この製品は本当は装着できないのではないか」

と心配になってネットで再調査したのですが、製造元も日本の販売元も装着できると書いています。けっきょく、しばらくしてこれは加工精度の問題だと気が付きました。3111FZは始めからからボルトオンで全部が組み上がるほど高い精度では作られていません*1

説明書には

「組み立て時は仮締めにしておけ」

と書いていますが、これを本締めの一歩手前とした私の理解が間違いだったのです。パッセンジャー・ステップのボルトをほんの少しねじ込んだ程度で止めておくのが正しい工作法です。こうすれば、少し力を加えるだけでM5と3111FZにボルトを通すことができます。

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パッセンジャーステップ(右側)

上の写真は問題のパッセンジャー・ステップ周辺です(3111FZ取り付け後)。左側のねじを大幅に緩めておきます。

日本販売元のデイトナは、パニア・ケース用のフィッティングPLX3111を日本で販売していないようです。仕方がないのでこちらはebayで購入しました。7月29日には日本に着く予定です。

 

 

 

*1:むしろ鋼管を曲げて作るならこのくらいがあたりまえで、バッチリ精度の出る単車の製造工程のほうが特殊技術

GRUBの画面解像度を変更

デスクトップ機にUbuntuを入れなおすと、ブート時のGRUB画面表示に時間がかかってしまいます。

これはディスプレイが2560x1440であるからです。無駄に高解像度に対応するため描画が遅くなっているのです。ということで、GRUBの画面解像度の変更方法をメモしておきます。

まず、/etc/default/grubを編集します。GRUB=GFXMODEのラインがコメントアウトされていますので、#を外し、解像度を640x480にします。

 GRUB_GFXMODE=640x480

 つづいて、GRUBの設定コマンドを実行

sudo grub-mkconfig -o /boot/grub/grub.cfg 

 これで再起動するとGRUBの解像度設定が変わっています。

苔の回廊

支笏湖の新名所、苔の回廊に行ってきました。

支笏湖は千歳空港に近いことを除くと、周辺に見るべきものが少なく観光地としてはややさみしいところです。その代わりにほかの観光地では得難い静寂に包まれており、休暇の最後に一泊するとホッとする、という場所でもあります。何しろこの巨大な湖への道は、いずれも深い森のなかをくぐっていくような道路ばかりです。

さて、支笏湖には苔の洞門と呼ばれる名所があったのですが、最近崩落があったらしく閉鎖されています。その代わりに別の場所が苔の回廊と名付けられて訪れている人が増えているようです。

人気が出ているとはいえ、まだ観光地としての整備は進んでおらず、アドベンチャー的な気分を楽しめました。現地へ行くには火山灰なのか、溶岩から削られたのか、砂がふかふかに堆積した枯れ川を歩かざるをえず、さらに倒木が何度も行く手を阻みます。最低限のアプローチを確保するためにチェーンソーで倒木を切った場所もありますが、片手の指で足りるほど。ところどころに結ばれたピンクのリボンを頼りに川を上っていきます。

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枯れ川を歩く

こんなところも。倒れてずいぶん経つようですが木は死んでいません。幹から上に向かって枝が伸びて葉が茂っています。

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倒木

さて、現地。いかにも火山性の地形ですね。ここも地面は砂です。当日は雨上がりでしたが、ひんやりした森の中は普段からきっと湿っていることでしょう。岩肌にはびっしりと苔がついていました。

苔が覆う岩も見ものですが、途中の道はこの辺りの深い森を存分に味わうことができる点でも楽しかったです。

時期的なものもあると思いますが、途中、一人もすれ違いませんでした。人気が出る前に行ったほうがいいかもしれません。もっとも、駐車場がないので観光バスで乗り付ける、といったことは難しそうです。

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苔の回廊

さて、今回の旅行は新兵器、Ricoh GR III の初陣でした。ここに掲げた3枚はいずれもGR III で撮影してRAWから現像したものです。ウェストポーチからさっと出して撮影できるため、旅先のスナップ撮影に向いています。なにより、細かい部分の解像度、暗い部分の雑音の少なさなどはK-5を上回っており、技術の進歩を痛感した次第です。

 

Lightroom 難しいなぁ

Adobe Lightroom CCを使っています。現像が高機能なのはよいのですが、今一つファイル関係の使い方がわかりません。

もっぱら使っているのはClassicですが、これのカタログが難しいです。写真は撮影時期やイベントごとにディレクトリ分けしているのですが、新しいディレクトリを追加する方法で毎回四苦八苦しています。なんというか、非常にUIが独りよがりです。

こういうのはRAWファイルを管理単位として、RAWがどこにあろうがその名前とハッシュから対応する編集情報(履歴など)を引っ張り出してくれればよいのですが、そうではなくて、真ん中にドーンとカタログなんてものを置いてその中で作業を強いられているのが本当に不安です。ディレクトリ構造を変えたら、それまでの編集履歴が飛ぶのでは?

もう一つ、編集結果適当なサイズ(1024x765とか)で保存してくれればPCの中のブラウズもスマホでの閲覧も楽だと思うのですが、毎回RAWを扱うのがとても不思議です。

難しいです。

湿原散策


すでに書いたとおり、6月の最初の週に北海道旅行に行きました。

今回は時期をずらして花を観ようという企画でしたが、実はあまり期待していなかった十勝の原生花園にたくさん花が咲いており、夢中になってしまいました。さらに季節をずらせばもっと花が楽しめるようです。花の時期が短い北国だけに、次々と入れ替わり立ち代わりで咲くのでしょうね。

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長節湖

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センダイハギ、長節湖

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アヤメ、生花苗沼

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オオバナノエンレイソウ生花苗沼

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エゾノタチツボミスミレ、生花苗沼

オオバナノエンレイソウは実は時季外れなのですが、ひんやりした森の中でいくつもの株が花を咲かせていました。

湿原地帯は人もまばらです。生花苗沼の森はエゾハルゼミの鳴き声に包まれて静かな時間を楽しむことができました。
 

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