照れ屋

鬼才の漫画家、黒田硫黄による映画評です。

映画に毛が3本! (KCピース)

映画に毛が3本! (KCピース)

黒田硫黄は不思議な漫画家です。特にマニア向けの作品を書くわけでもないのに、マニアにしか評価されていません。もっとも少年ジャンプで毎回トップを飾るような作品かというとそんなことはありませんが。おそらくマンガの文脈として広く期待されているお約束が希薄なのが一般受けしないことの理由でしょう。
そんな黒田硫黄が本業のマンガをサボっているくせに淡々と連載していた映画評をまとめたのがこの本です。全61本。照れ屋で映画好きと言う、普段作品からうかがうことのできない作者の一面を楽しめます。
一編を除いて、すべて文章1ページ、マンガ1ページからなります。文章部分は実際にはレイアウト*1の都合で1/4ページしかなく、作者の作品に対する思いのたけはマンガで表現されます。
さて、自身が表現者である漫画家が映画の評を描くわけですが、どれもこう、がっぷり四つに組む、という風ではありません。そのあたり照れ屋と言うか、つい斜めに見てしまう、斜めに見るんだけど、映画が好きなので暖かい視線になっちゃうというこの筆者らしいねじれ加減にあふれています。やさしい映画には暖かく、金のかかった映画には辛らつに。たった1ページのマンガで評される61本の映画をお楽しみください。
この本の楽しさ、すばらしさをここでお伝えする力が私に無いのがとても残念です。そこで、考えられる限り最高の方法でこの本のよさを伝えてみましょう。

id:Tpongさん、id:QianChongさんに是非読んででいただきたい。

すばらしさが伝わりましたでしょうか*2

*1:割と凝ってる

*2:と、さりげなく好意の押し売り

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