Maker Movementは日本の組み込み産業を変えるだろう

その前に産業が死滅する。
と、誰もが思っているでしょう。しかし、産業は人が作るものであり仮に再生するとしたらやはり人が再生するものです。そしてMaker Movementは多少なりともそのとき再生に携わる人達をかえるかもしれません。
何度かMake Tokyo Meetingを覗いたとがあります。面白いと思いましたし一時期参加使用可と考えたこともありますが、結局は距離を置きました。Maker Movementについては批判的な意見もたまにみかけますが、私の場合はもっぱら自分の関心をもつフィールドが違うから、と言う点にあります。それはこの際関係ありません。

閉鎖的な日本の組み込みソフトウェア

日本の組み込みソフトウェアに携わる人は、IT系のそれに比べるとかなり閉鎖的でした。
IT産業は、規模がまだ小さかった頃からネットワークやフリーソフトウェアの洗礼を受けています。IBM PC互換機という今となっては古い言葉である共通プラットフォームをベースに、最近になって急速な発展が起きたため、産業の輸入といっしょに文化も輸入されています。結果的に成果物だけではなく、知見も共有するという「オープン」な文化が育ちました。その結果、早い時期からIT系の人々は会社を越えて技術的的な交流を行っています。
一方、日本の組み込み産業はもともと世界制覇を成し遂げた民生用電子産業が大きな母体となっています。そのため、大学を出た後は企業で設計を学んだ人や、企業に入る前に独学で学んだ人が多く、技術交流に対しては「会社の技術を漏らしてはいけない」という大きなハードルがあったのでは無いかと思われます。

流れは変っている

自分が見通せる範囲の話でしか有りませんが、Maker Movementと後で名付けられた動きは、華々しいブームが終わった後も確実にその爪痕を残しているようです。あちこちで自分が作ったものを見せ、他人が作ったものを見、お互いが言葉と情報を交わすという文化が定着しているようです。こういった動きは当然所属する企業とは無関係に行われています。
重要な事は、それらに携わっている人々は、古い世代とは異なり
「会社の技術は会社の技術。自分の技術は自分の技術」
とはっきり線を引いていることでしょう。そして、技術を磨く場が会社の外に発生している以上、会社とは関係ない技術も磨くことになります。

新しい産業を支える人達

最近はあちこちで「再生」という言葉を聞きます。裏返せば、日本のあちこちが死にかかっているわけです。SNSでの活発なやりとりを見るにつけ、私のような旧体制の人間が産業ごと退場した後、産業を再生するのは新しい文化と価値観を身につけた人達だろうなぁ、などと感じています。

日経サイエンス12月号特集『オートファジーでノーベル賞』

日経サイエンス誌の12月号に、大隅義典博士のノーベル賞特集が組まれています。
読みながらぼんやり考えたのは、トレーニングしているのに筋肉が細くなる現象の影にオートファジーが居たのだなということです。もう少し正確に書くと、人間の細胞は何もしなくても構成要素であるタンパク質がどんどん劣化しており、放っておくと大惨事になるのでオートファージ機構によってそれらの老朽化したタンパク質を分解しているということです。
オートファジーによってタンパク質は分解されてアミノ酸になります。そしてアミノ酸は必要な部位でタンパク質に再構成されます。人間が作るタンパク質は食べるタンパク質より遙かに多く、それらはオートファジーによりまかなわれているそうです。これは報道でも言われていました。
さて、そこで思い出したのが
有酸素運動ばかりしていると筋肉が細くなる。特に長距離ランナーは筋肉が痩せた結果膝を悪くする」
という話です。なるほど、有酸素運動ばかりしていると筋肉が細くなるのではなく、そもそも常に筋肉は細くなっていたのです。老朽化したタンパク質は分解され、再利用されます。有酸素運動ばかりしていると筋肉の負荷が少ないため、筋肉として再利用されるアミノ酸が減って心肺系に持って行かれるのでしょう。その結果、見かけの上で
有酸素運動ばかりすると筋肉が痩せる」
わけなのでしょう。
繰り返しますが、オートファジーはこの現象の犯人ではありません。タンパク質は放っておいても劣化します。オートファジーがなければ、大隅博士が睨んだように、きっとわずかな時間で我々は死んでしまいます*1。オートファジーは体内で行われる再利用システムの重要な構成要素です。
そういえば、最近の朝のニュースで
「動物性タンパク質を食べない年寄りが栄養失調になっている」
という話をしていました。それに気付きにくいのは、オートファジーによって分解されたタンパク質がアミノ酸として再利用されており、症状がじわじわとしか発現しないからかも知れません。

*1:大隅博士はある時期に大量の酵母の変種を造り、短命な株に狙いを定めて次々とオートファジー関連遺伝子を突き止めている

iOS版 Torne Mobileから音が出ない問題

思うところあって、nasneを買いました。以前から気になっていたのですが、ようやく購入です。
さて、再生ソフトであるiOSTorne mobileでひとつ躓きました。このアプリだけ音が出ません。同じiPadYoutubeからは問題なく音が出ます。別のiPadTorne Mobileからも出ます。なぜでしょう。
原因は本体横の「ミュートスイッチ」でした。Appleの説明では、このスイッチは機能が割り当て可能であり、ミュートスイッチとした場合には音をミュートできます。しかし、以下のような注釈がついています。

次のようなメディアのサウンドは消音されません。

  • 音楽
  • Podcast
  • 映画
  • ビデオ
  • テレビ番組

nasneから送られてくる動画は映画であり、ビデオであり、テレビ番組です。ところが、Torne mobileで再生するテレビ番組は、このスイッチでものの見事に消音されてしまいます。
どうやらnasneの開発者はテレビの音声をゲーム音声として扱っているようです。内部構造はともかく、無駄にうるさいと開発者から嫌がられているAppleが、認証でこれを見逃したということには少々苦笑いしてしまいます。

台風から吹き出す風は、ほんとうに時計回りだった

以前台風は風を吹き出している - 脇見運転というエントリを書きました。
このエントリの最後にこういうことを書いています。

上層では反時計回りの風が吹き出している

これがずっと引っかかっていました。なにしろ、多くの専門サイトは「台風の上層では空気が時計回りに吹き出している」と書いているのです。しかし、実測データから作っているだろう流速データでは反時計回りです。何が起きているのでしょう。
思いあまってディジタル台風に問い合わせたところ、丁寧な回答をいただきました。台風から吹き出す空気の流れを観測画像として見ることが出来るというのです。たとえば2016年台風10号赤外画像を開いて、24日の昼頃をみてください。台風の南西に時計回りの吹き出しをはっきりと見ることが出来ます。
回答してくださった北本さんの言葉をよく考えてみたのですが、https://earth.nullschool.net/ の画像は観測データに基づくシミューレション情報であり、台風に関しては吹き出し風が予報にほとんど影響を与えないので手を抜いているようです*1
とにかく、数年来の疑問がすっきり解決しました。この場を借りて、回答してくださった北本様にお礼申し上げます。

*1:シミュレーションで計算しても仕方ないところを省くことは、よくある

弁当を使う

銭衝さんがツイッターで「弁当を使う」という用法についてつぶやいていらっしゃいました。

このあと、何人かの方が「弁当を使う」という用法についてコメントを交えています。
私自身はこの言葉を使ったことがありません。多少怪訝に感じながら、辞書を引いてみたところ、ちゃんとありました。三省堂新明解国語辞典です。
どうやら「使う」には「特定の用途に用いる」という多少婉曲的な用法があるようです。例として挙がっていたのは「弁当を使う」「湯を使う」。なるほど、「湯を使う」なら使ったことがあります。
ひょっとすると「文字ことば」や「女中言葉」のように直截な表現を避けるための用法なのかも知れません。

Windows 10 へのアップグレードでホームグループがおかしくなったときの対処方法

Windows 7/8.0/8.1 からWindows 10にアップグレードした場合、それまで使っていたホームグループに障害がでます。

家庭内の2台のPCをWindows 10にアップデート、共有設定を完了させました。
1台のPCのホームグループ設定メニューで”今すぐ参加”を選択すると、”パスワードを検証中”となり、その後”パスワードを入力してください”となります。
しかし、パスワードがわからないためホームグループに参加出来ません。
もう一台のPCで作業しても同じ現象です。
Windows7の時は、コントロールパネルから”ホームグループパスワードを表示または印刷する”のメニューがあったのですがwindows10ではなくなったようです。

ホームグループは管理用PCからいつでもパスワードを表示できるのですが、その機能がWindows 10へのアップグレードで壊れてしまいます。しかも新しいホームグループも作ることが出来ませんので、古いホームグループを捨てて乗り換えることも出来ません。この問題は日本のマイクロソフトのサイトを見ても解決できませんでした。
結局、海外のサイトを検索してわかったのは以下の方法です(情報元失念)

C:\Windows\ServiceProfiles\LocalService\AppData\Roaming\PeerNetworking の中身を全部消す。

リスタート後に新しいホームグループを作ることが出来ました。新しいホームグループのパスワードは直ちに自分が決めたパスワードに変更しました。

加藤嘉八郎酒造 純米大吟醸 瑞祥 大山

これも大変美味しいお酒です。
以前にも書いたと思いますが、日本酒らしい味の豊かさがありながら、嫌なきつさがありません。加藤嘉八郎酒造は定期的に横浜で試飲即売会を行っています。我が家では横浜そごうと高島屋にこの店がくるたびに、瑞祥 大山を買い求めています。
温度でだいぶ味が変わるようで、まろやかな味を楽しむには室温のほうがいいようです。

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