Zoom会議でPowerPointの発表者ツールを使用する方法の決定版を見つけました。ディスプレイ・エミューレータを使えば完全かつきれいに解決します。
先日書いた「スマホを拡張モニタにすると、Zoomによるプレゼンが楽になる - 脇見運転」は、銭衝さんにも取り上げられ、(ああ、やはりみんな苦労しているのか)とあらためて実感しました。
Zoom会議でPowerPointの発表者ツールを使う方法は、いずれもどこかに問題があり、じれったさを拭えません。
- 外部ディスプレイを使う:コスト高。
- Spacedeskを使う:Windowsでしか使えない。デバイスドライバが必要。
- SideCarを使う:MacOSでしか使えない。サブ画面はiPadしか使えない。
- MS Teamsを使う:Zoomで使えない。
さて、この問題を取り上げた後に気づいたのですが、世の中にはディスプレイ・エミュレータなるものがあります。 これが決定版と言ってよい解決策なのです。
これは私が注文した製品ですが、PCのHDMIポートに刺すと、PCからは4Kまで利用できる外部ディスプレイに見えます。ですのでPCからは画像信号が出てきますが、このプラグからは何も出力がありません。つまり、信号を捨ててしまいます。
こんなものに何の価値が!と思うことが普通ですが、世の中にはPCをモニタ無しで立ち上げ、PCがモニタ用に作り出した内部データのみ使いたいという人が、プロにもアマチュアにもいるのです。もちろんマイナーな市場です。ですので名前も一定していません。
幸いにも、かろうじて市場が成立する程度の需要はあったようです。
ということで、このプラグをPCのHDMI出力にさせば、OSはデュアル・モニタ状態となります。当然PowerPointのスライドもこのダミーに出力することができます。あとは、Zoomのシェアリング機能で、このダミーに表示されているデスクトップを共有元に選べば完璧です*1。
手元で軽く実験してみましたが、4kもFull HDも出力解像度として選べますので、プレゼン用には何の問題もありません。
送料込みで2000円でしたが、デバイスドライバをインストールせずに済むのは大きなメリットです。セキュリティ的にも安心でしょう。ちょっとでも安く!という方はEbayを探してみてもいいでしょう。セット売りで大量に出品されています。
HDMIの他にディスプレイ・ポート品もあります。USB Type-Cからしか映像信号を出せない機種も、変換コネクタを通してこのエミュレータを使えば問題ないはずです。
ということでいい事ずくめですが、ただ一つ難点があります。大手は扱ってないんですよね。あくまでPCマニア的なユーザーや、プロの一部が使うだけです。製造元が無名ならまだマシで、私なんぞは頼んだ製品と同等の違うプラグが届きました。まぁ、動くからいいですけど。
困っている方はお試しあれ。
*1:言葉で書くとじれったいが、要するに外部モニタをそのままシェアリング元とする