8 蝉しぐれ

いろいろと手一杯で書くタイミングを逃してしましました。

蝉しぐれ (文春文庫)

蝉しぐれ (文春文庫)

なんというか「すばらしい」と言ってしまうと作品の良さを損なってしまうような一冊でした。
主人公の青春時代の数年間をみずみずしい風景描写を交えて描いた小説です。当初、主人公の周りに起きる、いいこと、わるいことが淡々と描かれます。時にとてつもない不幸も起きるのですが、侍としての矜持で押さえ込むため、流れとしては非常に静かです。その、静かな前半が、逆に後半に起きる出来事の印象を強くするうまい構成になっています。
「ああ、この本の感想を書くのは難しいな」と考えながら読みました。明らかに私の表現能力を超えています。読後に解説文を読んで、あらためて、この作文能力に関する自己評価が正しかったことを認識しました。文芸評論家ってすごいや。