ラブラドール・レトリバー

散歩の帰りに喫茶店でコーヒーを求め、表のテーブルで飲んでいるときに褐色の犬が目に入りました。どうやら飼い主はスーパーで買い物中のようで、ひとのまばらな広場の空いたベンチに紐でつながれていました。
あとで調べたところ、ラブラドール・レトリーバーという種類だと分かったその犬は、がっちりとした体つきに引き締まった腹部、形のよい頭部という容姿。一匹で放置されているにもかかわらず、吼えも泣きもせず、ただ、日の光がまぶしいのか柱の作る影に頭を入れてたっていました。毛が短いために皮膚の下の筋肉の形がよくわかり、うっとりするほど精悍な姿です。
やがて現れた女性が紐をはずす間も、おとなしくしており、声ひとつもらしません。最後に小さな籠を渡されるとそれを咥えて女性の後ろをおとなしくついて去っていきました。
きゃんきゃん吼え通しの近所の馬鹿犬とは大違いの姿にしばし見とれました。

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