日経サイエンス誌の2007年4月号には「冥王星騒動の顛末」という解説記事があります。冥王星に関してはほぼネットでも語りつくされた感がありますが、やはり専門家による一般向けのきちんとした記事で読み返すというのは、いいものです。
特に今回の騒動のうち、「その天体が軌道を支配しているか」という点での数字を挙げた解説はすばらしかったです。
「恒星を公転するある天体を一つ取り上げ、その天体の質量と、同じ軌道領域にある他の天体の質量の総和の比」を考えたとき、冥王星は1以下になります。つまり、冥王星軌道領域にある他の小天体の総質量より冥王星は軽いのです。一方、水金地火木土天海のほうはというと、もっとも小さな火星でも数千、火星以外の惑星では1万を超えます。
こりゃ勝負にならないなって感じです。
さてこの記事のでもう一つ目を引いたのは、古代ギリシャ人に関する一説。彼等はいつも夜空の同じ位置にある星を恒星と呼びました。そして星座の間をふらふらと動く太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星を惑星と呼びました。
そうだったんだ。プラネテスって、放浪者って意味だったんですね。
- 作者: 幸村誠
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その他、今月号の日経サイエンス誌の読みどころは不確定性原理に関する新しい視点など。
*1:72ページより引用