世は大モバイル時代。みんな本なんか買う金がないと不満を口にしながら10万円のスマホを買い、デスクトップPCの代わりにラップトップPCを買います。
ところで、充電管理していますか?
いらん世話の最たる話ですが、スマホもパソコンも充電しっぱなしだと1年くらい、あるいはもっと早く電池がだめになります。ダメになる、というのは例えば膨張してケースの形が変わります。
最近、注意喚起のために画像を公開してくださった方のツイートが話題になりました。
ツイートするか悩んだのですが、注意喚起のためにした方がいいのではと助言を受けたので…
— おかず (@pafuhana1213) 2021年6月21日
リモート作業のために1年以上PCにモバイル端末を繋げたままだったのですが、久々に出社するとこの状態に…心当たりのある方はご注意を…
(端末側の問題ではなく、僕の運用方法が非常識・想定外という話です) pic.twitter.com/gTjaSQ1T2f
10万円のスマホも20万円もPCも、きちんと充電管理しなければ1年位で使えなくなります。
神経質なリチウムイオン二次電池
スマホやPCに使われているリチウムイオン二次電池はものすごく神経質な化学製品であり、きちんと管理してやらなければあっという間にダメになります。おそらく身の回りにある機械・電子製品でこれほど神経質なものはスプレー缶とガスボンベくらいです*1。
この電池は
- 満充電状態が続くと、すぐダメになる。内圧が上がって膨張が始まる。
- 過放電状態が続くと、すぐダメになる。性能が急激に低下する。
という厄介な性質を持っています。こういう問題を避けるには
- 80%くらいで充電をやめる。
- 20%くらいまで放電したら再充電する。
といった管理をすべきです。そうすれば5年、ひょっとすると10年位は使えます。もともと性能はよい電池なのです。
じゃぁ、どうするか。
PCの場合
大手が製造するPCの場合、充電管理アプリがひっそりと用意されていることがあります。これは特にビジネス向けのPCにその傾向が多い気がします。ビジネス向けのPCはオフィスで電源に差し込みっぱなしのことが多く、充電管理を怠るとあっという間にダメになります*2。
充電管理用のソフトがある場合、
- 80%で充電停止
- 70%で充電開始
位にしておくと、電池の寿命は非常に長くなります。
「70%だと外出中に電池が切れるかも」
と心配な人は、初めから公称10時間くらい持つPCを買うべきです。
「おれは電気をガンガン使う仕事をするんだ」
と言う人はそもそもACアダプタを持ち歩くべきです。
なんにせよ、メーカー純正ソフトを入れて正しく設定するだけで10万円のパソコンの電池が1年でダメになるか5年もつか変わるのですから、入れておいた方がいいでしょう。
メーカーや機種によっては今でもこういった対応をしていないものがあるかもしれません。購入前に十分な調査をすることをお勧めします。
スマホの場合
多くのスマホには充電制御機能がついていません。
ですので、充電ケーブルに接続しっぱなしだとあっという間にダメになります。ほとんどの人は夜寝る前に充電器に接続して朝取り外していると思いますが、1日5,6時間を満充電で放置することになりますので、長くても4年ほどでダメになります。在宅で仕事をしている人だともっと早いでしょう。
80%くらいで充電を止めてくれるアプリはありません*3。最近のiPhoneは充電制御をOSがやるそうです。AndroidはOSにその機能は無いようです。
私はAndroidユーザーですので充電の状態に応じて警報を鳴らしてくれるアプリを使っています。
play.google.comこのアプリは設定値まで充電したり、あるいは放電すると警告音や音楽を流してくれます。過不足の無い機能で使いやすく、十分に機能してくれます。
iPadにも警告アプリを入れています。
apps.apple.comこちらはAndroidで使用しているものほどよくありません。操作は直感的ではなく、使っていて首をかしげるようなことが多いです。
Appleの新型デバイスはバッテリーの充電量をOSが管理するようになっていますので、アプリの開発者のモチベーションは低いでしょう。今後の改善については望み薄です。
なお、Appleは「最適化されたバッテリー充電」のすばらしさを喧伝していますが、「80%になったら充電をやめる」といった機能はありません。単に満充電時間を極力短くするだけのものです。その根底には
「大衆は毎日同じ時間に起きて同じ時間に寝る」
という思考があるらしく、どうしてそんな『モダンタイムズ』が批判した世界みたいなことを夢見るかなぁと不思議な気持ちで見ています。