私のSV650にはパニアケースとリアケースを装備しています。これにシートバッグまで取り付けていますので、積載量はかなりのものです。
とはいえ、パンパンに機材を詰め込むとふたを開けた時にばらばらと中のものが零れ落ちてしまいます。この辺りは曲面を使ったケースでは仕方がありません*1。
そこで1年ほど前にケース内部にフックを装着しました。このフックにリアシート用のネットをかけることで、蓋の部分にも収納が可能になります。下の写真はキャンプ場から撤収する際に撮影したものですが、見ての通り容積一杯に詰め込んでいるにもかかわらず、蓋を開けた時に荷崩れする恐れがありません。
一年ほど使用して耐久性などもわかりましたので、以下に取り付け方法とよりよい方法の考察を紹介します。
金属フックを取り付ける
どのようなフックを取り付けるか悩ましいところですが、単車ですのでネットを張っていないときにカチャカチャ音がするようなものは避けたいところです。
ということで、私は金属フックを使用しました。とはいえ、金属フックの取り付けにしてもケースに穴は開けたくはありません。ねじ止めは必要ですので穴は必要ですが、ケースに開けてしまえば雨漏りすることは目に見ています。
そこで、下の写真のように下駄をはかせることにしました。この下駄はセメダインのエポキシ・パテで作ったものです。このパテは硬化すると非常に硬くなるため、やすりで削るといった加工が簡単にできます。また、硬化するまで多少時間が必要であるため、逆手にとってケースの内側に押し付けることで曲面にフィットさせることができます。
さて、フックは用意できるとして問題は接着です。通常の接着剤はポリプロピレンを接着できません。そこで、やはりセメダインのポリプロピレン用の瞬間接着剤を使用しました。
手順としては
- エポキシパテで台座を作る
- 硬化する前にネジを使ってフックを止める
- 硬化する前にケース内面に押し付ける
となります。この状態でパテはケースに吸い付いています。一晩経つと硬化していますので、次に
- 力を入れてケースから外す
- ポリプロピレン用の接着剤で接着する
作業をして終わりです。
一年使った結果
パニアケースとリアケースで計18個のフックを取り付けました。そのうち、パニアケースに装着した2個が取れています。
取れた理由はおおむねわかっています。
- 瞬間接着剤の強度が弱いフックがあった
- キャンプ道具を押し込んだ時に無理な力がかかった
瞬間接着剤については、事前の汚れの取り方が悪かったのか、その他の理由できちんとした強度が出ていないものがあります。また、キャンプ道具の中には椅子やテントのポールのように長くて硬いものがあります。これらをパックするときに比較的強い力がかかってパキッと接着面がはがれてしまいました。
ポリプロピレン・フックを取り付ける
ということで、ゴールデンウィークにフックの取り付け直しをしました。片方のパニアケースから手ではがせるフックを全部はがし、上の写真のポリプロピレン・フックを取り付けています。
このフックは百均で売っているSIKIRI30というケースの蓋を切って自作したものです。穴は書類用のパンチを使って開けました。
フックもケースもポリプロピレンですので接着剤が使えますが、今回はネットで仕入れた知識を試してみようということで、ガスバーナーで炙って融着しています。
作業にあたっては事前に練習を積みました。両面とも表面をきっちりと融かすことがコツです。
炙り方がおっかなびっくりであったこともあり、強度は
接着剤 > ポリプロピレン融着 > 接着剤(弱い場合)
という感じです。一方で、ポリプロピレンは柔らかいため無理な力がかかりません。装着したばかりですが、こちらのほうが金属フックより安心感がありますね。
その他の方法
ネット情報によればポリプロピレンも表面を炙ることで接着剤のツキが良くなるようです。
試しにやってみました。ポリプロピレンの板の表面をスチールウールで荒らし、バーナーで炙った後に2液性エポキシ接着剤で接着してみました。残念ながらあっさり剥がれます。
また、ポリプロピレンの板の表面を、ポリプロピレン用接着剤の表面処理剤で処理し、エポキシ接着材で接着する実験もやってみました。これもあっさり剥がれます。
やり方が悪いのかもしれませんが、実験はこのくらいにしておきます。
今後、ケースから残りの金属フックがはがれるようならポリプロピレンフックに置き換えていきます。
追記
結局、金属フックに戻しました