先日書いたように、Happy Hacking Keyboard Hybrid Type-S を購入しました。
このキーボードにはとても良い点と、とても残念な点があります。以下、自分が感じたことを書いていきます。
良い点:キータッチ
キータッチはとても優れています。
私は長いことメカニカル・スイッチ信仰を抱えていました。しかし、このキーボードが持っている、スプリングと静電容量無接点方式の組み合わせは、非常に良い打ち心地を実現しています。
文句のつけようがないです。
良い点:カスタム・キーマップ
この製品の非常に良い点として、キーマップを自由に変更できる点があります。ERGODOXのような「修飾キーの単打ちに別機能を持たせる」「二重打ちに別機能を持たせる」といった芸当はできませんが、Fnキーの割り当てまでできるため、非常に柔軟なカスタム化ができます。
カスタム機能はユーザーの個性がにじみ出るところでしょう。あとの説明に関連するので、私の設定を書いておきます。
一番のキーは変換・無変換キーをFnキーに再割り当てしているところです。デフォルトのFnキーの位置は私には合いません。左のFn「掌で押すこともできる」と好意的にとらえている方もいますが、そのたびに手首をひねるか横に動かさなければなりません。一方、小指で押すとなると肘ごと動かす必要があります。
Fnキーを押すときに肘を動かすくらいなんでもないように思えるかもしれません。しかし、このキーボードは小さな面積に機能を押し込んだため、Fnキーを頻繁に押さなければなりません。そうすると、小指や手のひらで押すのは不便です。
親指Fnキーは手首の負担がほとんどないため、大変使いやすいです。
そして、親指Fnキーを使った配置が以下の通りです。
この配置は手をホームポジションから浮かさずにカーソルキーを操作できる点が一番の味噌です。そのうえで、Fn-HにBS、Fn-SpaceにEnterを割り当てているため、テキスト編集中の手のひらの移動量が非常に小さくなっています。特に通常のキーボードでBSやEnterを打つときに行う「右手を大きく開いて肘ごと動かす」動作がほとんど発生しなくなります。
また、Fn-変換、Fn-無変換をそれぞれ変換・無変換キーとして使えるため、ホームポジションから手を動かさずに日本語入力と英語入力を切り替えることができます。
この割り当てでは変換、スペース、無変換キーを多用するので、キーボード・リムーバーを使ってキーキャップを引き抜き、ひっくり返しています。こうすることで親指の痛みがなくなります。
良い点:Bluetooth
今更取り立てて言うことでもないかもしれませんが、Bluetoothキーボードは便利ですね。
自宅で仕事をしているため、会社のPCと自分のPCをキーボード上の操作で切り替えることができて便利です。
電池をLi-Ionではなく単三にしたのはよい判断です。Li-Ionは管理が面倒で使いたくありません。
キーボード一言居士
いくつか文句を言いたいことがありますが、細かく書いても坂村健氏の古い記事に「キーボード一言居士」とバッサリ斬られるだけなので、箇条書きに挙げておきます。
- キー配置が古臭い。R-E-VのラインはU-J-Mのラインと並行ではなく、ハの字に配置すべきだと思う*1。
- キーボードは手前に低くなるデザインより奥に低くなるデザインの方が手首の負担が少ない*2。
- JISキーの右シフトが小さすぎる。矢印キーは一段手前に引いてシフトキーの邪魔をしないように配置すべき。
- 電池は奥じゃなくて手前に置いた方がいい*3。
- JIS配列とカスタム機能を使って実現した親指シフトは思っていたよりずっと使い心地がいい。スペースの手前にもう二つくらい何らかの修飾キーを置きたいくらい*4。
矢印キーはHHKBがデザインされたころよりずっと多用されているのではないかと思います。もっと使いやすい場所に配置すべきでしょう。そうであったらわざわざFnキーでカーソルを動かさなくとも済みます。
いろいろ書きましたが、これ以上自分好みのキーボードが欲しければ、自作するしかないんでしょうね。