福島第一第二原発まとめ

とりいそぎ。

福島第一原子力発電所

3号機の建屋が爆発しました。1号機同様水素の化学爆発とのこと。東電および原子力安全・保安院の発表を信じる限り、原子炉格納容器は無事のようです。

原子炉 核分裂 被害 放射能漏れ 現在の状況 作業 地震発生時の状況
1号機 停止 外部電力喪失により炉心冷却機能喪失。水位が低下した。燃料棒が損傷していると思われる。水素の爆発により建屋の上半分が崩落 セシウム等が微量漏れている 落ち着いている 定格運転からタービンおよび原子炉が自動停止
2号機 停止 外部電力喪失により炉心冷却機能喪失 落ち着きつつある RCICによって冷却中 定格運転からタービンおよび原子炉が自動停止
3号機 停止 外部電力喪失により炉心冷却機能喪失3月13日AM2:44頃高圧注水系が停止。水素の爆発により建屋の上半分が崩落 格納容器内の蒸気放出により、少量の放出が起きている。 冷却水の水位は上がりきっていないが圧力は下がっている。固着していた格納容器の弁は圧搾空気を送り込んで開くことができた。 冷却用ホウ酸海水を注入中 定格運転からタービンおよび原子炉が自動停止
4号機 停止 炉心の水位は安全上問題無いレベルを維持 定期検査により停止中
5号機 停止 炉心の水位は安全上問題無いレベルを維持 定期検査により停止中
6号機 停止 炉心の水位は安全上問題無いレベルを維持 定期検査により停止中

福島第二原子力発電所

原子炉 核分裂 被害 放射能漏れ 状況 作業 地震発生時の状況
1号機 停止 外部電源とは接続できている。炉心水位は安定している。圧力制御室の温度が100度を超えている 格納容器の蒸気放出準備完了。冷却機能の復旧作業中 定格運転からタービンおよび原子炉が自動停止
2号機 停止 外部電源とは接続できている。炉心水位は安定している。圧力制御室の温度が100度を超えている 格納容器の蒸気放出準備完了。冷却機能の復旧作業中 定格運転からタービンおよび原子炉が自動停止
3号機 停止 外部電源とは接続できている。炉心水位は安定している。冷温停止 定格運転からタービンおよび原子炉が自動停止
4号機 停止 外部電源とは接続できている。炉心水位は安定している。圧力制御室の温度が100度を超えている 格納容器の蒸気放出準備完了。冷却機能の復旧作業中 定格運転からタービンおよび原子炉が自動停止

ノート

原子力発電でよく言われる「放射性物質の封じ込め」ですが、うろ覚えの範囲で以下のようになっています

燃料ペレット
核燃料は安定な化合物の粉末に加工された後、焼結して耐熱性の高いセラミック担っています。核反応により飛び出した分裂原子などはほとんどがこの頑丈なペレット内に閉じ込められます。また、耐熱性が高いため、恒温で破損した場合も溶融、飛散を可能な限り押さえます。
ジルコニウム合金の鞘
耐熱性の高いジルコニウム合金の鞘でペレットをまとめ、燃料棒としています。
冷却水
軽水炉の冷却水には多くの役割がありますが、停止満水時には残留放射線が外に飛び出さないようくるむ毛布の役割をします。なお、運転時には物理的に水が必須で、水を失うと自動的に核分裂連鎖反応が停止します。
圧力容器
いわゆる原子炉本体。
格納容器
圧力容器などを納めている非常に頑丈な容器。事実上最後の砦。
建屋
圧力容器を風雨から守る建物。

今回の原子炉の事故に関してキーになっているのは水です。原子炉は常に連鎖反応が続くか続かないかぎりぎりのところで運転しているため、制御棒を差し込む、冷却水の沸騰が激しくなる、運転時温度が上昇するといった変化で簡単に連鎖反応が終わります。これが運転停止状態です。しかしながら、一方で核分裂によって生じた物質は放射線を出し続けますので、運転中ほどではないとはいえ発熱は続きます。この発熱を除去しなければ燃料棒の一部が融けて折損することになります。これがメルト・ダウンです。原子炉への注水はこれを目的としています。一方で、原子炉内部が今回のように以上状態の場合、連鎖反応の再開を確実に押さえなければなりません。ホウ酸を注入しているのはそのためです。ホウ素は中性子の吸収率が高いため、連鎖反応に強いブレーキをかけます。

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