ソニーによる眼鏡っ娘救済

タイトルは釣りです。
今年のCEATECは事前に発表された東芝による裸眼立体視テレビが話題をかっさらいました。3Dテレビの最大の弱点は立体視をするための眼鏡です。これをかけなければならないばっかりに3Dテレビに拒否感を覚える人もいます。裸眼立体視はこの問題を解決する代わりに数多くの問題を解決しなければならず、今回は東芝という大手テレビメーカーがそれを実現したと胸を張って発表したため、多くの人が注目したのでした。
さて、会場を訪れる機会があったのでめぼしいところをざっと見たのですが……

東芝
大きなブースと派手なステージでのプレゼンテーションが目立ちます。この手のステージでダンスを披露する東芝にはPASへの集客にボーカロイドを前面に出したヤマハ並みに違和感を感じますが、些事ですな*1。大量のテレビを展示しているものの、それらは皆が期待する裸眼3Dテレビではありませんでした。裸眼3Dテレビを見るにはステージの脇に1時間以上並んで3Dシアターに入らなければなりません。
パナソニック
ステージ後ろの巨大な壁に多数の3Dテレビを張り付け、ステージ前のチェーンで区切ったスペースに多くの人を入れて3D眼鏡を使った立体視を披露していました。
ソニー
ステージ後ろの壁にPS3による巨大な3D画像を投影し、道行く人に3D眼鏡を渡してデモを見せていました。当然、渡す必要なんかありません。みんな勝手に眼鏡の入ったかごを探し出して、手にとって見ていました。私も見ました。スクリーンの大きさや解放感もあって、これまで見たどの3Dデモよりも面白かったです。

ソニーは昨年多くの人が詰め掛けて長時間かけて3Dデモを見たことからなにがしかを学んだのでしょう。オープンスペースでのデモということで、気持ちよく見ることができました。パナソニックも頑張ったと思いますが「眼鏡を盗む不心得者が現れるだろうが、それでもやる」というソニーの決断の前に敗れ去ったイメージがあります。
今回のCEATECでは、ソニーのステージ前で眼鏡をかけて楽しそうにスクリーンを見上げる人々の楽しそうな表情と、東芝のステージ横の暗い場所で長時間我慢して並んでいる人々の表情の差が印象に残りました。
眼鏡のいらない3Dなのに東芝が今回の形式を選んだのは、方式的に立体視が効くスイートスポットが小さいという欠点があるからでしょう。今回のソニーのデモは実に賞賛すべきものでした。眼鏡をなくすことと楽しいことは関係ないんじゃないかと考えた次第です。

*1:ボーカロイドが集客の役に立つのは認めます。だって浮きまくってたし

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