4 マクベス

あちゃー、全然おもしろくなかった。

マクベス (光文社古典新訳文庫)

マクベス (光文社古典新訳文庫)

地位も栄誉もあり、友人からも王からも信頼厚いマクベスは、押し寄せてきた敵の大群を見事に退けて大功績をあげたあと、不意に現れた魔女の言葉に踊らされて、王を殺し、友人を殺して血と苦悩に彩られた人生を歩み始めます。
裏切るの早すぎ。とても没入できません。
とはいえ、あまりにも早すぎる展開も、足りない掘り下げも、解説を読めば納得せざるを得ません。「マクベス」は演劇です。上演時間が長すぎれば観客が耐えきれません。1時間半程度に納めようとすれば、どうしても細部をはしょるしかないのです。そして、演劇ですから、短い台本の行間を読んで台詞の言い回しや仕草として表現する演出や演者の力量が大きくものを言います。
要するに演劇の素養もなにもない私が台本を読んで感動しようということに無理がありそうです。
翻ってみるに、ロンドンの地下鉄にあれほど舞台関連のチラシが踊っていることは私から見ると驚きです。それだけ多くの人が演劇に興味を持っているわけです。聞いた話によれば、イギリスで演劇をやる人にとってシェークスピアを演じることは名誉だそうです。それはつまり、どういうわけか売れまくっている台本を目を皿のようにして読み、その台本を役者がどう理解し、どう表現しようとしているのかを微に入り細に入り観察している一般人が掃いて捨てるほどロンドンには居るということです。
えらい世界です。それだけは分かりました。

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