35 ドリアン・グレイの肖像

以前、深夜のテレビで見た「ドリアン・グレイの肖像」が頭に引っかかってまして、ようやく読むことが出来ました。ドリアン・グレイの肖像は古い訳がありますが、これは今世紀になって訳し直した読みやすい版です。

ドリアン・グレイの肖像 (光文社古典新訳文庫)

ドリアン・グレイの肖像 (光文社古典新訳文庫)

画家の下でモデルをしていた美しい青年ドリアン・グレイは、ふとした弾みで言われた「君もやがては老いる」という言葉に恐怖します。とっさに画家が描き上げた絵が自分の代わりに年老えばいいのに…と祈ったのが通じたか否か、その絵はドリアンが堕落する度に醜悪なものへと変化していきます。一方、ドリアンは永遠の若さを保ったまま。
今読むと、「老い」と「罪」は違うだろう!と大声で言いたくなりますが、そこは突っ込んだら負けなのかもしれません。名作中の名作扱いなのですが、今ひとつ終わり方にはやや不満が残ります。
古典からの引用などが多いため、十分な素養のあるひとでなければ楽しめないのかもしれません。その意味で、私には分不相応だったのかも。

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