エジプトの豚と鳥

初の負傷者が出たそうな。

AFP特派員によると、首都カイロ(Cairo)市内のMukatam地区でデモを行った300?400人の住民が、殺処分のためにブタを連れ去ろうと到着した警官隊に、石や瓶などを投げつけた。機動隊はゴム弾を発砲し、若者を中心とする群集に対し催涙ガスを散布した。

患者より前に負傷者を出すとは…。公衆衛生には多分に全体主義的な「自由の抑圧」がつきまとうとは言え、この件からは

  • エジプト国内では新型インフルエンザの患者は出ていない
  • WHOからは今回のインフルエンザについて豚から人間への感染例は、まだ報告されていない*1
  • エジプトではイスラム教徒が多数。イスラム教徒は豚を嫌っている
  • エジプトの養豚業者は少数派のコプト教徒。低収入層

などなど、嫌になるほど差別的な匂いがします。
警官隊との衝突では12人ほどけが人が出た模様。怪我の程度は不明です。
エジプトでは鳥インフルエンザによる死者*2が、確認されています。また、今年にはいって鳥インフルエンザと確認された患者が4月も増え続けています。これは今年の4月のWHOの報告。

エジプトでこれまでに確認された67例のうち、23例が死亡している。

エジプトって、家禽の殺処分していましたっけ。

追記

差別的な処分だとする一方で、元々エジプトの養豚業には問題があったとする見方もあるようです。

聖典コーランが豚肉食を禁じているイスラム教徒が約90%を占めるエジプトでは、約10%に当たる少数派のキリスト教コプト教徒が豚を所有。ごみ処理業者がごみを飼料にするなどして飼育している事例も多い。豚飼育場をめぐっては劣悪な衛生状態が指摘されており、人民議会議員らが処分を求めていた。

ようするに、いいチャンスだから行政処分を発動しようと。エジプトそのものが日本の衛生基準からするとかなり怪しいですから、養豚業の衛生状態がエジプト的にどうなのかは、ちょっと判断できないですね。

*1:ウィルスに豚インフルエンザ起源の遺伝子パターンがあることはわかっている

*2:患者でも負傷者でもない

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