31 世界と日本

吉田茂というと、私の世代では遙か過去の人ですが、親の世代は生々しい現役時代を見ています。敗戦国の代表としてサンフランシスコ講和条約に調印、バカヤロー解散、なんてのは歴史の授業じゃなくて、子どもの頃に親に聞かされた話ですな。

世界と日本 (中公文庫)

世界と日本 (中公文庫)

むー。
明らかに違う時代の政治家の回顧録だと読んですぐ分かります。共産主義社会党に対する歯に衣着せぬ批判は、まるで硬い石をゴリゴリとすり合わせるような力強いものを感じます。海外情勢に関しても、「俺は各国の元首と会って、自分の意見をきちんと交換したのだ」とにらみつけるような調子で書かれています。
共産主義活動が盛んで社会主義国家があからさまな膨張志向を持っていた時代に生きた政治家の生々しい姿を垣間見ることが出来ます。
造船疑惑に関する言及や、憲法の軍隊放棄に関する勝手な解釈など受け入れがたいものもありますが、好意的な味方をすれば、事をなす政治家は清濁併せ呑むのでしょう。
濁といえば、小沢一郎氏。以前は、結構事をなすワルじゃないかと思っていたのですが、もう10年以上小悪党化を続けています。最近また悪そうな一面を見せてくれますが、国に役立つ悪になってくれるでしょうか。

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