コンピュータにどこまで関心を持つか

akuninさんからのトラックバックです。タイのエンジニアとのギャップに悩んでいらっしゃいますが、サンプル数云々の話は抜きにしても地域ギャップと世代ギャップのどちらだろうという話かな。

...こちらの現地人のスタッフと話しをして、余りにもコンピュータの「振舞」に関して無関心なのを痛感させられました(涙)
id:suikanさん、日本ではどうですか?

エンジニアは自分のかかわる分野に、深く広く関心を持つべきですが、コンピュータ技術そのものがわれわれの若いころよりはるかに膨張しているため、分野間の距離が以前よりも広がっているように思えます*1。昔は数の2進表現もコマンドラインの使い方も必須技術でしたが、いまどきはどうなのでしょう。分厚いレイヤーの奥に隠れているのかもしれません。
前の会社でイギリスに行ったときのこと、私のトレーニングをしてくれた若い技術者との間でこんな話がありました。
若「ビルドすると.MOTファイルが出来るのでこれをROMに焼くんだ」
酔「S-RECORDだね」
「.MOTだよ」
「内部フォーマットはS-RECORDだよね」
「ROMに焼くファイルなんだよ」
「ま、そうなんだけど。名前からしてMotorola S-Recordフォーマットだよね、エディタで覗いてみよう」
「バイナリだからエディタで開いても無駄だよ」
この技術者は.MOTという拡張子を持つファイルの内部構造には興味はなく、それがS-RECORD形式と言う、バイナリデータのテキスト表現だということは知らなかったのです。われわれが若いころはROMを焼くには重要な知識でしたが、いまどきは知らなくてもツールが全部を面倒見てくれます。
必要になれば習得すればいいのであって、いろいろなことを事前に知っておく必要はない、と言うスタンスなのかもしれません。
件のトレーナーは上の会話のあと「勉強になった」と丁寧に礼を言いました。こういう真摯なやつは後々天井知らずに伸びるんだろうなぁとちょいと背筋が冷えました。
現代日本の技術者がどうかは、よくわかりません。私は付き合っている人が特殊なので(^^;

*1:なんて宇宙論的な話

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