「わんちゃんが雀をかごから逃がしちゃった」
と、泣いていた幼い若紫。藤壷に血が近いばっかりに源氏の君の興味を引いてしまい、後ろ盾もないまま拉致同然に連れ去られた若紫。世間も何も知らないまま、ただ源氏の好みの女になるためだけの教育を受け、養父だと思っていた男に犯されて泣くしかなかった哀れな少女。
頼みにするしかないその男には正妻が居る儚い身。やがて正妻は死ぬも、男は女癖の悪さがたたって失脚、遠方へ逃走。「あなたのことだけ考えています」と手紙をよこしながら、現地の女に子供を産ませていたと気づいたのはずっと後の話。
夫は復権し、晴れてもどってくるも、自分の目の前に妾たちを住まわせる御殿群を建設。子宝に恵まれず、明石の君の生んだ子供を育てるしかなかった紫の上。出家したいという願いも聞き遂げられないまま、夫の恨みから死んで悪霊となった女に祟られ苦しむ晩年。
- 作者: 瀬戸内寂聴
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前半と異なり重苦しい雰囲気の漂う6,7巻でした。