Windows Liveの同期について(その1 : Exchange)

Windows Live Essentialsの正式発表が近いことがあきらかになりました。すでにベータ・テストに入っており、まもなく正式配布になりそうです。Windows Live Essentialsは開発中のWindows 7に付属する基本アプリケーション群で、現在Windows Vistaに搭載されているWindows メール, Windows アドレス帳, Windows カレンダーなどを置き換えるツールとなります。おそらくはWindows XPWindows Vista向けにも配布されることになるでしょう。
ちょうどここ一週間ほどWindows Liveについて調べていたので、Windows Live Essentialsが現れる前にまとめておくことにします。ただし、Liveサービスというよりも、ほとんどメール、アドレス帳、カレンダーの同期について書くことになります。

昔話

最初に勤めていた会社には、全社規模のメールシステムがあり、はじめから世界中の社員にメール・アカウントが割り振られていました。私の部門では下っ端が使う必要はありませんでしたが、人事異動のあとは緑文字の3270端末に向かってカチャカチャと英文を打っていたものです。結局私が辞めるまで日本語メールは導入されませんでしたが、最後の頃には社内メールがインターネットと接続されていました。
次の会社には日本に社内ネットワークが無く、Niftyの法人アカウントを使っていました。その後同僚と二人でNetwareを導入し、LANを敷設し、CC:Mailを導入し、Linux 1.2.8の上でuucpを走らせて本社と接続していました。
その次の会社は結構大きな会社で、社内メールはExchangeサーバーでまかなわれていました。最初はいろいろおぼつかないところがあったものの、Exchange 2003が導入された頃からいろいろ便利になってきました。特に感心したのはOutlook Web Access (OWA)です。
OWAはWEBメールです。これは社外にいてもExchangeサーバー上のメールを読むことが出来るソフトで、キオスク端末さえあればどこからでもメールチェックが出来ました。
その会社はどうもIT部門の感覚がずれていて時折歯がゆい思いをしたのですが、調べていくうちにExchangeサーバーを活用すると、社員の間でスケジュールやアドレス帳を共有できるとわかってきました。活用を呼びかけては反応のなさに落胆するというパターンを繰り返しながら、やがて、PDAと同期も出来るような気がしてきました。とはいえ、なかなか難度が高かったように思います。

ポケットからキオスク端末まで

PDAOutlookの同期は魅力的に思えました。私は人間が雑なので外出前に準備して来訪相手の名刺を持っていくという習慣が身に付きませんでした。そこで、PDAを活用できればということになるのですが、もし、PDAOutlookと同期出来るのならOutlookにアドレスを入力するだけでPDAにデータが流し込まれ、外出先でも顧客の連絡先が一発でわかります。OutlookはExchangeサーバーのクライアントなので、Outlookに入力したデータはExchangeサーバーのアカウントに自動的に同期されます。つまり、もくろみ通りなら、Outlookに名刺情報を入力するだけで、外出先でもOWAやPDAを使って顧客の連絡先を知ることが出来ます。Outlookにはオフライン・モードがあり、オフライン時に入力したデータはサーバー接続時に同期がかかりますので、新幹線の中で入力すると言ったことも出来ます。アドレス帳だけではなくスケジューラーでも同じです。
これはなかなか魅力的に思えました。が、やってみるといろいろ制限がありました。たとえばPDAの同期先をOutlookのオフライン・フォルダに出来ないといった制限がありました。インポート・エクスポートを行えばいいのですが、一度同期という概念を知ってしまうと、そんな馬鹿馬鹿しいことはやってられません。

Nokiaの洗礼

結局、PDAからキオスク端末までアドレス帳とスケジューラーを同期出来るようになったのは、今使っているNokiaのN73 (705NK)を買ってからです。この端末は同期先としてOutlookのオフライン・フォルダを選べるため、ExchangeサーバーからN73までを完全同期出来ます。さらに、同期はBluetoothなのでPCに近づくだけで最新データにアップデートされます。
もともと連絡先はOutlookに入力していた*1ので、N73の購入で一気に外出時の環境が快適になりました。
この環境の全体の構成はこんな感じになります。

Exchangeサーバーはメール、アドレス帳、スケジュール、メモなどのデータを持っています。WEB環境ではブラウザを使うことで、OWAによりそれらの資源にアクセスできます。オフィスでは、Outlookを使ってそれらにアクセスできます*2。そしてBluetooth越しの同期で携帯端末に転送されたデータは、外出先でも携帯電話で閲覧できます*3
NokiaのPC Syncにはたまに泣かされることがありますが総じてこの環境は快適です。
そこで、プライベートでもこれに似た環境を構築したいと考えました。
(つづく)

*1:Outlookへの入力は工夫すると大幅に簡単な作業にできる上、管理機能も優れている

*2:単独使用のOutlookは眠いPIMにすぎないが、Exchangeのフロント・エンドとしてのOutlookは実によくできていると思う

*3:メールまでは同期出来ないと思う。そっちはプッシュを使っている人が多い

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