3世代

CQ出版のインターフェース誌9月号の付録Coldfire基板が、「MC68000と同じフットプリントの64pinインターフェース」という、あまりにも馬鹿な(ほめてます)レイアウトだったので、記念に一枚。

一番上から1974年発表のMC6800、1979年発表のMC68000、2007年発表のM52233。
MC6800Motorola社初のマイクロプロセッサです。74年にはIntelが後に大ブレークするi8080を発売していますが、MC6800は74年発表75年発売。両者とも広く市場に受け入れられ、アマチュアの手にも届いたことから、どちらのアーキテクチャが優れているか、「80対68論争」がいろいろなマイコン誌で見かけられました*1
MC6800は、私がはじめて買ったマイコン本「私だけのマイコン設計&製作」で徹底的に解説されていた8bitプロセッサです。当時のプロセッサはこの手の入門書の3章も読めば、レジスタ構成、命令セット、信号を全部理解できました。写真は79年製のセラミック・パッケージ品です。入手しただけで動かしませんでしたが、動くかなぁ。
MC68000は、初のVLSIマイクロプロセッサじゃないかとか、初の32bitマイクロプロセッサじゃないかとか、「じゃないか」が多かった超期待の新人でした。ライバルのi8086が8080の延長線上にあったのに対して、MC6800は設計を仕切りなおしてバランスの取れた強力な命令セットになっていました。ワークステーションでよく使われましたが、Apple社がLisaやMacintoshに使ったことで一躍有名になります。
写真のMC68000は初代Macintoshのジャンク基板から取り外したもので、おそらく日立製セカンドソース。当時は通電したら動いていました。今でも動くのかな。当時はそのジャンク基板にアクセラレータを乗せたりして遊んでいましたが、あるとき電源系をショートさせあと起動しなくなってしまいました。
一番下がFreescaleのColdfire基板。ColdfireIntelにパソコンCPU戦争で敗れたMotorolaが、当時強かった組み込みにさらに手を入れるべく、MC68000系のCPUを簡素化して設計しなおしたRISCアーキテクチャ。こちらは節操無く開発されたMotorolaのCPU群の中で生き延びて、今でも現役です。

*1:実際にはi8080を元にZilog社が作ったZ80が80派の代表として扱われた

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