遺伝子組み換え植物に対する不安

もう、遺伝子組み換え食品を毛嫌いするのはやめたらどうかというエントリ。

極小のリスクを回避するために一体いくら払うのか。そろそろ遺伝子組み換え食品を毛嫌いするのはやめてはどうだろう。

極小のリスク云々に関する点は同意した上で、以下、私が感じてる遺伝子組み換え植物に対する不安です。
食品としては不安を持っていないんです。実のところ、遺伝子組み換え食品だから通常の食品より徹底的に検査しなければならないなんて理由が全然思いつきません。むしろ、アメリカ人が喜んで買う毒々しい色のお菓子のほうがよっぽど怖いです。
ただ、遺伝子組み換え植物自体のほうは、まだ態度を決めかねています。遺伝子組み換えで機能を変更した生物に関しては、もうずっと実用状態にあります*1。では、なぜ植物に不安を感じるかというと、遺伝子組み換え植物は畑で育てるってことです。遺伝子組み換え細菌は実験室と工場の培養基の中に閉じ込めることができます。でも、植物は畑で育てますよね。改変した遺伝子を閉じ込めることができません。チョウチョやハチがやってきて、他の植物と交配させてしまう。
人工的に変化させた生物を自然の生物と交配させるなんて、絶対許せない。なんて、ことは考えていません。それはおきないに越したことはないですが、もう手遅れです。われわれが品種改良した動植物は広く世界に拡散してしまっています。うちの狭い庭に生えている植物の中に、一本でも人間の手の入っていないものがあるか、怪しいものです*2
では、遺伝子組み換え植物の何に漠然と不安を感じているかというと、機能のステップの大きさに対して、十分な検証時間を与えたのかということです。毒性ではなく、機能に対して。通常の品種改良では、時間をかけて交配を行いますので、小さな機能の変化を蓄積していきながら、周囲の環境との相互作用の検証に十分な時間をかけられます。しかし、遺伝子改変を行った品種はどうなのでしょうか。そういう意味では、放射線で変異を加速する品種改良にも、同様な疑問を持っています。
たんに私が無知で、実際は十分な検証が行われているのかもしれません。が、今感じてる不安はそんなところ。遺伝子改良品種でも私は食べますよ。中国産だといわれるとためらいますが(^^;

*1:たとえば、ヒトインスリンを製造する遺伝子組み換え生物

*2:オシロイバナは野生種かも。とても園芸種と思えないくらいたくましい。

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