V1 巡航ミサイル

ミサイルだ、いや飛行爆弾だなどといわれますが、今風に言えば巡航ミサイルです。


Buttle of Britainのコーナーにありましたが、狭義の英国本土航空戦…あしか作戦の前哨戦…より後に現れました。戦果を調べてみたところ、8000発以上が発射され、そのうちロンドンに達したのは25%程度だったようです。「たった25%」という記述も見受けられますが、先進国の首都に2000発の爆弾を打ち込むのって、「たった」でしょうか。戦闘機で容易に撃墜できたとされますが、もしBoBに間に合って同時使用されていたら、英国の防空網は対応に追われて総崩れになっていた可能性もあります。
一枚目の写真にはV1号によるロンドンの被害の様子が展示されています。血だらけの紳士が抱えられて歩いている姿など、生々しく、戦争の悲惨さと同時に、国防の重要性を訴えようとする姿勢がよく分かります。
一言余計なことを書いておきます。被害者としての英国はその悲惨な様子をきちんと説明していますが、加害者としての英国は常に栄光として敵の惨状を描きます。当然です。情報を受け取るわれわれは、それを忘れてはいけません。ロンドン空襲は悲劇ですが、ドイツに対する無差別爆撃は輝かしい勝利として語られます。広島・長崎への原爆投下は100万人の兵士・民間人の命を救った誇るべきこととして語られます。戦争に負けるということはこういうことですし、戦争に首を突っ込むこと自体こういうことです。
下の写真は垂直尾翼。パルスジェット・エンジンと胴体の接合部を兼ねています。使い捨ての割りに丁寧なつくりです。

屋外には、発射台が展示されています。戦利品として持ち帰り、研究に使った後、払い下げられてきたものを組み立てたそうです。載っているV1はレプリカ。

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