ろくすっぽ案内板も見なかったので、視界に入ってきたのは唐突でした。呆然。マッハ3の怪鳥SR-71。
あらゆる点で常軌を逸しており、就役から退役まで、ついに時代に追いつかれることなく成層圏を駆け抜けたチタンの機体。それがSR-71です。なんと、エンジンつきで展示されています。
尾翼の紋章から沖縄に配備されていたことが分かります。SR-71は素材から任務まで、すべてが伝説級でした。
- 巡航速度マッハ3.2(ジャンボジェットの4倍)、巡航高度24000メートル(同2倍)
- ジェット機の最高速度記録と最高高度記録を持っている
- ニューヨーク・パリ間最短記録を持っている
- 機体の一部は空気の摩擦で赤熱した。
- 高温のためジュラルミンを使うことができず、全体がチタン合金でできている。
- しかし当時チタンはソ連しか供給できなかったので、偽会社を作って輸入した。
- 巡航速度の高温で全体の寸法が合うよう設計されているので、地上では機体に隙間が生じる。
- そのため、駐機していると機体から燃料が漏れた。
- 燃料のJP-7は、常温で揮発せず、漏れても発火しなかった。
- 燃料が染み出る上、エンジンパワーが足りないため離陸時には燃料を最小限しか積まず、離陸後必ず空中給油を行った
- 通常の空中給油機ではJP-7を扱えないため、専用機が開発された
- エンジンパワーが足りず、燃料を節約するために音速突破時にはダイブしていた
- パイロットは宇宙服着用
- 巡航高度では白昼も空は黒く、星が見えた
- 真っ黒に塗った気体は、高空の黒い空に溶け込み地上からは見えなかった
- 意図していなかったことだが、レーダー反射面積はF-15の1/3程度しかなく、高いスティルス性能を持っていた
- 就役から退役まで、一機も失われなかった
で、その機体。なんか滲みています…
高温で膨張してもよいよう、主翼パネルには畝が。
機体下部、パネル接合部。通常の航空機より仕上げが丁寧な印象。
J58エンジン
高速飛行時には、圧縮機をバイパスさせられた空気が黒いパイプを通ってアフターバーナーに直接導かれます。ラムジェットとして働くとか。