静か、それでいて強い言葉

山月記・李陵 他九篇 (岩波文庫)

山月記・李陵 他九篇 (岩波文庫)

最近仕事で結構めげていますので元気付けに何冊か本を買いました。大抵、頭を冷やすときにはマンガを買って読み捨てますが、追い込まれてくるとマンガでは役不足です。
中島敦と言うと高校生*1のとき教科書に「山月記」が掲載されていたのを覚えている程度です。授業では飛ばしましたが、授業中こっそり読みました。その時は単に印象に残った、と言う程度でした。
今回、初めて中島敦の作品を書籍として購入しましたが、冒頭の「李陵」には圧倒されました。漢文からの影響を強く受けた文章は、大河を思わせるような力強さと静けさを兼ね備えています。一つ一つの場面は苛烈で劇的であるにもかかわらず、李陵と言う英雄の人生を通してみたときに感じさせる寂しさが強く胸を打ちます。

*1:中学生?

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