わかりにくいボタン・ガイド

スカイポッドには操作用のボタンが10個もあります。さすがにこの機能を全部覚えることはできないため、LCD上にボタンのガイドが絵で出ます。ところがこのガイドが曲者です。言葉では伝わらないので絵でごらんあれ。

十字ボタンは上下に並んでいるのにガイドは左右に並んでいます。これ、あからさまに設計の不備ですよ。よく見るとガイドの左上にどちらの十字ボタンに対応するかを現す矢印がついています。しかし、そんなものは気休めに過ぎません。使いにくいったらありゃしない。ネットで検索すると「慣れればたいした問題ではない」という意見もありましたが、慣れが必要と言われていること自体GUI失格だということを設計者は肝に銘じるべきです。
さて、ガイドがなぜこんな表示をされているかですが、設計者が「星図表示と同居させたかった」と考えたであろうことは予想がつきます。ガイドが横に長いため、縦に二つ並べると星図を表示する場所がほとんどなくなります。星図を見ながら操作できるのがウリの製品ですから確かにこれはよくありません。しかし、星図を表示するために使い易さが犠牲になっては本末転倒です。

考えられる対策

とりあえずの対策として小さな改良を施すことはできます。たとえばこんな感じにすればいいのです。

ガイドを表示するのは下側十字ボタンのみにしてしまいます。ボタンの横にガイドがあるのですからこれで混乱は減らす事ができます*1
「こうすると上のボタンの機能変化をガイドできない」というもっともらしいことを考える人は、そもそもモードごとに機能が変わりすぎる事が間違いであることに気づくべきです。上の十字ボタンは上下左右の移動だけに機能を限定すればガイド表示は不要になります。現在の実装では上の十字ボタンが時々値の選択に使われます。これは止めて、値の選択はポップアップしたリストの中から上下ボタンで選ぶようにすれば、値の選択機能を上下移動で実現できます。
さて、以上はハードを変えずに改良する方法ですが、ハードも是非変更してほしいと思っています。そもそも下側の十字ボタンは十字配列である必要がありません。そこでこんな風に変更すればかなり使用感が変わります。

上側十時ボタンは4方向スイッチに変更して小さなスティックによる十字操作に切り替えます。あるいはセンター・ボタンつきのものに変更してもいいかもしれませんが、その場合は暗闇でも手探りで使えるようにする工夫が必要です。
下側の十字ボタンはLCDの左に配置し、それぞれにガイドを表示します。これでかなり使い勝手が変わるはずです。また、昨日書いたようにアライメント・ボタンをメニューに追い出してしまえば、ほぼ全部のキーを単一機能にできます。ですのでユーザーはほとんどの間ガイド表示をオフにできます。その場合、以下のようなときに5秒間だけガイドを出すようにすれば一層使いやすくなるでしょう。

  • 電源ON時
  • モード変更時
  • ユーザーが電源ボタンを押したとき

是非改善を

スカイポッドは文句なしによい製品です。本体だけは。
本来低価格の望遠鏡自動導入式経緯台は、

  • 天体に詳しくない人でもいろいろな天体を見る事が出来る
  • 詳しくなった後もじっくり観測するときに便利。

と、間口が広く奥行きの深い製品であるはずです。ところが、この製品はSTARBOOK TYPE-Sの設計のまずさから

  • これから星を見てみようという人にはお勧めできない
  • じっくり観測するときにも次の星の導入でイラつく

というかなり残念な仕上がりになっています。機械的な強度や追尾性能には何の問題もないのですから、ビクセンは是非製品仕様を考え直してほしいものです。

*1:ちなみに今のスカイポッドは、左側のガイドが下の十字ボタンに対応していて一層混乱を招く

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