読んでいただきたいものの著作権

論文集の論文に著作権があるのかと言う話。

しかし、では論文集でも「これは一本の論文ごとに著作権がある」のか。ないだろう恐らく。要するに「論文は対価が発生しないが、小説は発生する」という前提なのである。なんて学者ってかわいそうなんだ。

法的にはあるはずですが、実務上ないものとして扱われているように思えます。70年代後半の電子技術論文を数編、国会図書館でコピーした事がありますが、何の問題もなく全文コピーしてもらえました。論文なんて半分コピーされたって何の役にも立ちません。
逆に、論文著者からすると読んでもらわないと困ります。だからこそ日本では著者がお金を払ってまで学会誌に論文を掲載していただいているわけです*1。また、聞いた話では論文執筆のために参照したいというと、いくらでも著者が送ってくれるとか*2
そういうわけで、論文著者はコピーしまくられると幸せになるのでしょう。実務でこれを制限するのも変な話です。
論文のほか、アジテーション・ビラなどもコピーは歓迎でしょうね。そう考えるとコマーシャル・フィルムの著作権ってどうなんだと考えてしまいます。肖像権にうるさいモデルに高い金を払うより、安い無名のモデルを使ってコピー自由のコマーシャル・フィルムを作るほうが割がいいかも。

*1:金を払ったんだから、学会は論文集をWEBで公表しろというもっともな意見がある

*2:論文の被参照数は学者の重要な評価指数

/* -----codeの行番号----- */