NC ( Network Computer )はオラクルが提唱した軽量コンピュータです。主要な機能はすべてサーバーに格納し、クライアント側はブラウザでアプリケーションを実行するという考え方です。ブラウザがアプリケーション・プラットホームですからOSもCPUも選びません。あわてたWintelはNetPC構想をぶち上げましたが、結局いずれも立ち消えになってしまいました。おそらくは、回線が細すぎて使い物にならなかったからでしょう。
ところが、Ajaxがすべてを変えてしまいました。GoogleはNCを墓場から呼び覚ますかもしれません。ここでちょっとGoogleのツールについておさらい。
- Gmail
- メール本文をサーバーに置きっぱなしにして、Googleの広告リサーチプログラムにさらすという乱暴なモデルから心理障壁を取り去った。
- Google Maps
- 見捨てられていたAjaxに光を当て、データが大きくてもブラウザ上のスクリプト言語で実用的な作業速度を実現できることを証明した。
- Google Calendar
- Ajaxは古典的なネット・アプリケーションの操作も一辺させうることを証明した。
- Google Spreadsheet
- オフィス・スイートのような重量級基幹アプリケーションですら、ネットに置きっぱなしに出来ることを証明しようとしている。
結局Googleは、MS Windowsで動いているもっとも人気のあるアプリをすべてネットに引きずり込んで自分の広告スペースにしようとしているのではないでしょうか。
じゃないでしょうかって、もう、オフィス以外はお手つきです。ここ参照。
これらをすべてネット上で使うことが出来れば、有機的にデータを結合できます*1。さらにはアップグレードはGoogle任せです。MSの開発スケジュールにあわせて予算を確保する必要もありません。メンテもバックアップもウィルスチェックもGoogle任せ。そしてもちろん、Googleはユーザーのプライベートから仕事に渡っての興味の範囲、活動の情報をすべて広告に利用できます。
一度実現できてしまえば、MS WindowsやMac OSはGoogleのための気の利いた表示エンジンでしかありません*2。
Googleが次に行うのは？
Google Wordprocessorは当たり前すぎて予想にもなりません。私は移動中に使うGoogle Offlineじゃないかとおもってます。OS独立で、上のサービスをすべて実現できるマイクロサーバー。ネットが回復次第バックグラウンドで同期を取ります。そういう機能が現れるような気がします。というか、現れると便利ですね。
