みそすりについて

id:foodp*1さんに関連リンクを教えていただきました*2。ありがとうございます。
さて、JAXAが期待しているのはテニスラケット定理による回転軸の収束ではないかとのことですが、私はそれは違うと思います。私は「はやぶさ」の現状は次のような状態だと思っています。

  • 自転軸はすでにZ軸になっている。
  • その自転軸自身が円錐運動を行っている。

つまり歳差運動です。こまの首振りを想像していただければわかるように、歳差運動においても、回転している物体に対する自転軸は固定しています。物体ごと回転軸が空間中で方向を変えるのです。ですから首振りを行ってもコマの回転軸は芯を貫いており、芯と一緒に方向が刻々と変わっていきいます。
テニスラケット定理は、自転軸がやがては「はやぶさ」のZ軸に安定に収束するだろうということを説明しますが、歳差運動の収束は説明しません。
JAXAが一般に向けて詳細な発表をしていないのでそもそも各種の前提からして想像するしかありません。しかし、

  • 「ニューテーション」という言葉が使われている。
  • セーフモードでZ軸スピン中にトルクが加わってみそすりが始まった

ことを考えると、はやぶさは歳差運動をしており、その歳差を収束するための設計(passive nutation damperの組込み)が効果を現すのを待っているのだろうなと考えています。
一方で、私が知っている歳差運動は地球重力下のコマの運動や、太陽-月による潮汐力を受けている地球のそれです。太陽からの潮汐をほとんど受けないはやぶさの歳差運動がずっと続くのかどうか、私にははっきりわかっていません。

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