受動的安定性

仕事で移動中に人工天体の受動的安定性に関して調べてみました。Googleで検索しまくったところ、Nutation Dampingと呼ばれるものがどうやらこれのようです。Nutationは天文学では章動とよばれる運動ですが、人工天体では歳差の意味で使っているようです。この辺、お詳しい方がいらっしゃったらご教授願います。また、的川教授は「コーニング」という言葉を使っていますが、これについては歳差と同じだろうと思われるもの、同様に使っている例を見ませんでした。
以下、Nutationをみそすり運動と考えます。
調べたところみそすり運動の制動方法には能動的なものと受動的なものがあります。
能動的なものとはモーターやセンサー、電子回路を組み合わせて行うもので、電力を喪失すると機能しません。ただし姿勢制御システムなどと統合できるので効率的で軽量化できそうです。受動的なものとは、電力を使わずに制動する方法で、人工天体がすべての電力を喪失しても機能するのが最大の利点です。「はやぶさ」の受動的安定性とはこれでしょう。
受動的なみそすり運動の制動(Passive Nutation Damping)にはざっと調べたところ二通りありました。

  • 偏芯ホイールによるもの
  • 流体を封じ込めたリングによるもの

機構は違いますが動作は似たようなものだと想像できます。力学的な詳細はわかりませんが、これらを適切な位置に配置することで、みそすり運動を自然に収束させることが出来るとの事です。

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