トラブルはあったがセーフモードに入った

はやぶさは上昇後姿勢を変え高利得アンテナを地球に向けました。これで臼田にあるJAXAの地球局に対して高速データ通信によるデータのダウンロード開始です。データをダウンロードしなければ、本当に接地したか、接地後弾丸を発射したかはわかりません。
しかし、ダウンロード中に突如姿勢が乱れ、高速通信が途絶えてしまいました。低速通信を使った確認によって、化学燃料による姿勢制御ロケット(スラスタ)が勝手に動作していることが明らかになりました。前回の不時着時に、スラスタが接地していて不具合を起こしたのではないかとの事。
臼田の可視が終わる直前にはやぶさをセーフモードに入れることが出来たようです。セーフモードは冬眠のようなものです。はやぶさ太陽電池を太陽に向けた状態でスピンを行い、すべてのスラスタが停止します。セーフモードにおいては高利得アンテナは使えませんが、ビーコンモードによる低速通信を行うことが出来ます。この状態で次の可視を待つことになります。
はやぶさの姿勢の乱れはタッチダウンを終え、上昇してしばらく経ってからおきました。また、可視が終わる前にセーフモードに入れることが出来ました。
松浦氏のBlogにある的川教授の

はやぶさはセーフモードに入りました。運の強い探査機です。

という言葉は、こういったぎりぎりの状況で生き残れたことを指しているのでしょう。
厳密に言えば、まだはやぶさの資料採取ミッションが成功したかどうかは不明です。それを知るには再度姿勢を安定させてデータのダウンロードを行わなければなりません。今しばらく、時間が必要です。

/* -----codeの行番号----- */